インドニュース

『ジョティ・マルホトラ』による「Indian girl in Pakistan」の動画投稿は、単なる旅行記録ではなく巧妙に仕組まれたプロパガンダ活動の一環であったことが明らかになった。

インド・ハリヤナ州出身の彼女は、約40万人の登録者を抱える人気YouTuberとして活動する傍ら、パキスタン諜報機関の工作員として暗躍していた疑いで逮捕されている。

旅行系インフルエンサーとして各国を巡る彼女の動画には、パキスタンの人々が手を振る平和な光景が映し出されていた。だが捜査当局によれば、これらの映像は国際的なイメージ向上を狙った意図的な演出だったという。特に今年3月に投稿された7本のパキスタン旅行動画は、同国の治安不安や紛争のイメージを払拭する目的で制作されたものと見られている。

彼女の魅力的な人柄と洗練された動画技術が、視聴者の心に「パキスタンは安全で美しい国」という印象を植え付けていく様子は、まさに現代のプロパガンダ手法の典型例といえる。マルホトラ容疑者は2023年の初回訪問時にデンマーク人男性の仲介でパキスタン諜報員と接触し、その後「ジャット・ランダワ」という偽名でテレグラムを通じて連絡を取り合っていたとされる。

「後悔はしていない」という供述は、彼女の行動が単なる金銭的動機を超えた何かに基づいていることを示唆している。カシミール州でのテロ事件直前の"旅行"や、収入と不釣り合いな高額な旅費についても捜査が進んでいるが、真相はまだ霧に包まれたままである。

一方で、パキスタンが複数国のインフルエンサーを活用して自国イメージの向上を図っているという疑惑も浮上しており、情報戦の新たな戦場としてソーシャルメディアが機能している現実が浮き彫りになっている。

インドとパキスタンの対立が続く中、一人の女性YouTuberが巻き起こした波紋は、デジタル時代の諜報活動がいかに巧妙で身近な存在となっているかを物語っている。

出典:Travel with JO | 公式YouTubeチャンネル

おすすめの記事