モデルで女優の桐谷美玲が、デビュー以来所属していた芸能事務所スウィートパワーを3月末で退社することを発表した。

スウィートパワーというと、全国津々浦々に情報網を巡らせて、女優として成功しそうな逸材がいれば、どこであろうともスタッフが口説き落としに行ってピンポイントでスカウトするという、大胆な手法でおなじみである。芸能界でも一目置かれる存在だったが、2017年に当時看板女優だった堀北真希が引退してからは、離脱者が続出。かなり微妙な感じになっている。

「黒木メイサも桐谷美玲も、結婚してからは開店休業のような状態が続いているし、南沢奈央や元KARAの知英はちゃんとブレイクする前に退社してしまいました。男性部門の『スパイスパワー』を立ち上げるも、岡田健史とは契約問題で裁判沙汰になるし、高杉真宙も退社。ついに桐谷美玲もいなくなってしまうとなると、現状でのトップは内山理名で、それに続くのが桜庭ななみ、高月彩良、川島鈴遥といったラインナップ。正直、“弱い”のは否めません」（ドラマ関係者）

そんななか、スウィートパワーは昨年に「Sweet Power Animal（アニマル）」という動物部門を立ち上げた。

「この動物部門には、猫2匹と犬1匹が所属していますが、そのうちアメリカンショートヘアーの『まる』がドラマ『真犯人フラグ』（日本テレビ系）に出演中です。事実上、この『まる』が現時点でのスウィートパワーの看板タレントと言っても過言ではありません」（同）

さらにスウィートパワーは、今年に入って「Sweet Power International（インターナショナル）」という新部門を立ち上げている。公式サイトではその所属として2人の子役のプロフィールが掲載されており、いずれも“ハーフ”との記載がある。

「Sweet Power International所属の幸本澄樹くんは、NHKの『カムカムエヴリバディ』にも出演し、密かに注目されていますね。語学も堪能で、今後幅広い活躍を見せる可能性は高い。スウィートパワーとしては、今後ミックスルーツ（＝“ハーフ”）の子役に活路を見出そうと画策しているようにも見えます」（同）

動物タレントの次は“ハーフ”子役を推しているスウィートパワー。これまでの女優事務所というイメージから、かなりかけ離れてきているように見えるが……。

「売り出し方の方向性で所属タレントと衝突したり、岡田健史のように契約で揉めたりなど、最近のスウィートパワーはあまりにもイメージがよくない。しかも、結果的に退社するタレントが多いということは、事務所とタレントとの交渉もうまくいっていないということの表れですからね。穿った見方をすれば、事務所サイドも“文句を言うタレントはいらない”というスタンスなのでしょう。となると、動物や子役は事務所に“文句”を言ってこないので、スウィートパワーとしても扱いやすいということなのかもしれません」（芸能事務所関係者）

看板女優を失い、大きなシフトチェンジを図るスウィートパワー。果たして、この路線変更は功を奏するのだろうか。

手山足実（てやま・あしみ）
出版業界歴20年超のベテランジャーナリスト。新聞、週刊誌、カルチャー誌、ギャンブル誌、ファンクラブ会報、企業パンフレット、オウンドメディア、広告など、あらゆる媒体に執筆。趣味はペットの動画を見ること、有名人の出没スポットパトロール。