アジフライ

食べられる本格的な料理やお菓子をミニチュアで作る「Miniature Hieu’s Kitchen」。見るからにおいしそうな料理動画が並ぶなか、世界一小さなアジフライを作る様子を収めた動画は、公開から3カ月で176万回以上の再生回数を記録している。

同チャンネルを運営するのは、料理好きなべトナム人男性のHieu(以下ヒュー)さん。その料理技術もさることながら、料理に使う道具はもちろん、食材まで小さいことに驚く視聴者も多い。

今回は、ミニチュア料理をテ-マにした取材は初めてだというヒューさんに、なぜミニチュア料理というジャンルでYouTubeをはじめたのか、道具や食材の調達や動画制作について話をうかがった。

日本で出会ったミニチュアがYouTubeチャンネル開設を後押し 料理ジャンルを選んだ理由とは

ミニチュア料理のなかで最高難度のたこ焼きを作るヒューさん

--ミニチュア料理をつくるようになったきっかけって何でしょう?

ヒュー:2019年の10月ごろ、YouTubeのおすすめ動画のなかに別のミニチュア作家の方の動画が出てきたんです。それがすごくかわいくて、はまっちゃったんですよ(笑)。

母国のベトナムでは、私の小さいころにあまりそういうのがなかったので、自分のなかにはミニチュアという概念がなくて。「こんなに小さいものを作れるんだ」と思って、見とれてしまったんです。

もともと料理は好きで、YouTubeで自分の料理チャンネルを作りたかったんですけど、今住んでいるアパートはおしゃれじゃないし、映えないんですよ。

それで、小さなセットがあればかわいいし、映えると思って、いろんなところからミニチュアのセットとかキットとかを買い集めることにしたんです。

最初は趣味程度でやろうと思っていたんですけど、やってみるといろんな方からよい反応があったので、ちょっと力入れようかなって。

キッチンを見てもらえばわかるんですけど、最初のころより物が増えたりして、本格的になってきました。

--お仕事は料理系の職業なんですか?

ヒュー:レストランとかではないですけど、お菓子の会社の研究職として数年間働いていました。

お菓子の作り方と基本がわかっているのと、小さいころから母の手伝いで晩御飯を作ったりしていたので、プロではないですけど料理の基本は少しわかっている感じですね。

旬の食材を使った料理を動画に ときにはミニチュア用食材を自家栽培のワケ

自家栽培のなすを使った麻婆なす

--動画にする料理ってどのように決めているんですか?

ヒュー:材料から考えています。ミニチュア料理って、小さい材料を入手するのが難しいんですよ。季節によって物は違うし、シ-ズンが過ぎたら手に入らないので、食材があったら、その食材にあったレシピを考えて作るっていう感じです。

--麻婆なすの動画では、小さななすを収穫するシ-ンが収められていましたが、あれはご自身で育てられたんですか?

ヒュー:はい、そうです。日本のス-パ-って、よいものしか出さないじゃないですか。家庭菜園とか農家では、あまりよくないやつとか訳アリのものもたくさんあると思うんですけど、それはス-パ-では売らない。

売りに出たとしても直売所みたいなところでしか売ってないので、もしなすを使いたいなら自分で育てるしかないんですね。

--なすのほかに、いま育てているものはありますか?

ヒュー:いまはミニドラゴンフル-ツを育てています。出身がベトナムなので、けっこうドラゴンフル-ツは食べていたんですけど、ミニドラゴンフル-ツって見たことなかったんです。見つけたときはめっちゃ感動しました(笑)。

最近実っているので、熟したら動画で何か作ろうかなって思っています。

--アジフライを作る動画の再生回数が伸びていると思うんですが、動画で使われているような小さな魚はどこで入手するんですか?

魚は、ス-パ-の鮮魚コ-ナ-にあれば買う感じです。売ってないときはネットで購入しています。

--ネットで小さいのが売っているんですね!

ヒュー:「ミニ」とか「小さい」とかそういうキーワードで検索してみて、出てくると買っています。ただ、ネットだと業務用が多くて、1キロ単位とかなんですよ。

1キロ買って1匹だけ使って、あとは全部自分で食べるっていう感じです(笑)。

--小さな道具も気になったのですが、どうやって集めているんですか?

ヒュー:セットで売られているものではないので、いろんなところから集めています。まず自分がどんなものを作りたいかを考えて、それにあった道具があるかどうかを調べるんです。

ネットで買うことが多いですが、お皿とかはミニチュア専門店で買っています。専門店にないものは、海外のネットから取り寄せたり、海外の職人さんに作ってもらうこともありますね。

この前ロールケーキを作ったときは型がどこにも売ってなかったので、アルミニウムの板を買って自分で作りました。

--たこ焼きを作っていたときに使っていたたこ焼き器は特注ですか?

ヒュー:あれは専門店で売っていました。小さすぎると天かすみたいになっちゃうので、本当はもうちょっと大きめのものが欲しかったんですよ。大きい方が作りやすいし、もっとおいしそうに見えるので。

たこ焼き作るのってめちゃくちゃ難しくて、ミニチュア料理のなかでは最高難度だと思います。形はできるんですけど、火加減が難しくて。普通のサイズのたこ焼きでも、すぐ焦げちゃうじゃないですか。

ミニチュア料理は全般的に火加減が大事なんですね。小さいので、チョコレ-トを溶かすときや揚げ物をつくるときに、焦げてしまうことがあるんですよね。

--りんごあめを作っている動画も拝見しましたが、あれも火加減が大事になりそうですよね。

ヒュー:あれ、材料はすべて目分量なんですよ。食品メ-カ-だとちゃんと天秤があるんですけど、自宅だとそこまでちゃんと測っていないので。いままで作った経験と感覚でやっているんです。

りんごあめは火加減もちゃんと見なきゃいけないんですけど、シロップの水分量が多いと固まらないので、砂糖と水の分量も大事ですね。

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