
『ホロライブプロダクション』を運営するカバー株式会社が11月11日、2026年3月期第2四半期の決算を発表した。
注目すべきは決算資料に記載された「演者報酬」と「所属VTuber数」から試算できる、驚くべき年収の実態である。
過去1年間の演者報酬総額60億2200万円を平均在籍数88人で割ると、1人あたりの年間報酬は約6843万円という計算になる。
この数字は、VTuberという職業が単なる趣味の延長ではなく、れっきとした高収入を得られる仕事として確立していることを示している。
計算の根拠となったのは、2025年3月期第3四半期から2026年3月期第2四半期までの4期分のデータである。
各期の演者報酬は15億7000万円、16億6900万円、13億3000万円、14億5300万円と推移した。在籍VTuber数は91人、89人、86人、86人で平均88人。
同期間の会社全体の売上は480億9700万円に達しており、単純計算するとVTuber1人あたりが約5億4656万円の売上を生み出している計算だ。
この数字は、個人が持つ影響力の大きさを物語る。会社の業績は累計売上高217億5400万円で前年同期比27.2%増と好調だった。ライブイベントやライセンス事業が牽引した形である。
一方で営業利益は26億6600万円と前年同期比20.9%減となった。
売上は伸びたが利益は減少という状況である。これは成長のための先行投資が影響しているとみられる。ホロライブプロダクションは女性VTuberグループ「ホロライブ」と男性VTuberグループ「ホロスターズ」を展開し、YouTube総登録者数は8000万人を超える。
インドネシアや英語圏向けのグローバル展開も進んでおり、カバーは2023年に東証グロース市場に上場を果たした。
年収6843万円という数字は、夢を追う若者たちに新たな可能性を示している。二次元エンターテインメントの世界が、確実に巨大なビジネスとして成長を続けている証左だろう。
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