全国で200店舗以上を展開するペットショップ「Coo&Riku」の新CMに、俳優の田中麗奈が出演している。しかし、ペットショップの在り方が議論されている状況において、その広告塔となった田中を心配する声も少なくない。
6月1日に改正動物愛護管理法が施行され、ブリーダーやペットショップが販売する犬・猫に対するマイクロチップの埋め込みと飼い主の情報登録が義務化された。飼い主とペットの情報を紐付けることで、離れ離れになった際にすぐ見つかるようにするのと、ペットの遺棄を防止する目的だ。
日本と同じく“ペット大国”と言われるフランスでは、2024年からペットショップで犬や猫を販売することが禁止されるなど、さらに進んだに動物愛護の考え方が広まっている。
動物愛護の観点から特に批判の的となりやすいのが、ペットショップで子犬や子猫をディスプレイする販売方法だ。店頭の愛くるしい犬や猫を見て、衝動的に購入したものの、きちんと飼うことができずに捨ててしまう人もいることは確かだ。日本でも、公益社団法人ACジャパンによる日本動物愛護協会のCMでは、ペットショップで売られている子犬が「その一目惚れ、迷惑です。」と訴えかけて話題を呼んだ。
「一部ペットショップの環境が劣悪なため、動物たちが弱ってしまうケースもあります。正規のブリーダーから直接購入したり、きちんとした保護施設から引き取ったりすれば、飼い主の適性を見ることもできるし、不幸な動物たちを減らすことができる。ペットを飼うならそれが望ましいという風潮があり、日本国内でもペットショップに対する風当たりは強めです。
実際に、タレントがSNSなどに新しく飼い始めたペットの写真を載せると『保護犬ですか?』などと確認するようなコメントが寄せられることも多く、ペットショップで購入したとわかると批判の目で見られるケースもあります」(メディア関係者)
昨年放送『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「猫メロメロ芸人」回では、かまいたちの山内健司が血統書付きのブランド猫を5匹飼っており、そのうち1匹をペットショップで約22万円で購入したエピソードを披露。しかし、共演したサンシャイン池崎やミキ・亜生は元捨て猫や里親募集で愛猫を迎え入れており、そのスタンスの違いに山内には少なからぬネットの批判が寄せられていた。
「こうした批判の声が先鋭化して、その矛先が、ペットショップCMに出ている田中麗奈さんにまで及ぶ可能性も否定できません。つまり、なによりも“良いイメージ”を保たなければならない芸能人にとって、ペットショップのCMに出ることはかなりリスキーなんですよね。田中さんは過去にロングコートチワワを飼われていたそうで、CMでもペットへの愛情を語っています。だからこそ出演したのでしょうし、もちろん田中さんに落ち度はないのですが、それが裏目に出て愛犬家や愛猫家から反感を買ってしまわないかは心配です」(メディア関係者)
世界的な動物愛護への関心の高まりから、すべての飼い主と事業者が責任を持ってペットを愛し、要らぬ心配をする必要のない世の中になることを願いたい。
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