2月27日深夜放送の『乃木坂工事中』(テレビ東京系)では、「褒めっこグランプリ 前編」をオンエア。3週に渡り放送されたバレンタイン企画では、喜びもあった反面、涙を流すメンバーも現れるなど、遺恨を残す企画でもあった。しかし今回はメンバー同士がとことん褒め合うという誰もがハッピーになれる企画だ。見終わった感想としては、これで企画としてしっかりと成立させてしまう「乃木坂46すごい……」である。
秋元真夏、鈴木絢音は褒められるのに弱い?
さて、今回行われる「褒めっこグランプリ」は“グランプリ”とあるように、メンバー同士の対決形となっており、最終的に勝敗が決定される。スタッフによる「攻撃力」「守備力」という独自の指標も加えられ、さながら格闘ゲームの装いである。
1回目は秋元真夏と梅澤美波というキャプテンと副キャプテン同士の対決に。対決の前には、レフェリーを務めるバナナマン・日村勇紀が準備をしているところを、設楽統に促された早川聖来が背後から日村を攻撃する流れがあった。早川は顔を赤らめて恥ずかしそうにしていたが、その勇気のおかげもあって、スタジオは和やかなムードに包まれた。
「褒められるの大好き」「ニヤニヤしちゃいそう」と弱気な秋元に対して、「一発でイケちゃうかな」と自信を覗かせる梅澤。じゃんけんの結果、有利な先行を選んだ梅澤は、秋元の顔を褒める作戦で、秋元の笑顔を引き出しあっさりと勝利。こういうときのキャプテンはとことん弱い。
多目に見てほしいという秋元の要望もあり、秋元を先行にして第2試合が行われることに。梅澤のいいところをつらつらと話していく秋元だったが、梅澤の表情は一切変わらない。それはテロップにもあったように「鉄の女」そのもの。転じて後攻の梅澤が今度は性格を中心に褒め始めるが、秋元はまたもやニヤニヤを耐えきれず。秋元からは良くも悪くも素直なのが伝わってくるし、だからこそいつまでも愛されるキャラでいられるのだろう。
続いての対決は、バレンタイン企画では大活躍だった樋口日奈と鈴木絢音。鈴木は乃木坂イチのクールガールだなんて当初は言われていたけれど、今では感情を表に出すことも多くなった。とはいえ、設楽も表情が変わらないと話していたように鈴木が勝つのだろうと筆者は予想。しかし、結果は樋口が「絢音」と話し始めた途端に、鈴木が吹き出してしまいアウト。この後2度も対決が行われたが、どれも樋口の勝利だった。いくら鈴木のガードが固いとはいえ、お互いを知り尽くしている樋口の作戦が功を奏した形だ。
3試合目は、4期生の仲良しペアの筒井あやめと清宮レイ(あやレイコンビ)が対決。じゃんけんで勝った筒井は有利な先行ではなく、強気に後攻を選択。「グロスの塗り心地 めっちゃよかった」と褒める清宮の言葉にも一切動じず、顔色ひとつ変えない筒井が強すぎる! 個人的に“無の境地”に達してしまった筒井の表情がツボだった。清宮の笑顔からは2人は本当に仲の良さが伝わってきて、見ているだけで幸せな気分にさせてくれた。
続く4試合目も掛橋沙耶香と柴田柚菜の4期生による対決。これまではどちらかが笑い上戸という対決が続いていたが、この対決は2人とも笑顔を隠しきることができず、トントンの結果に。「お姉さんみたいだね」と話したときの掛橋の笑顔は破壊力抜群だった。
ここまではバナナマンも尺の心配をするほどに、あっさりと進んでいったのだが、第5試合目以降の対決は屈指の名場面が生まれることに。
5試合目はこれまでバラエティで爪痕を残してきた弓木奈於と和田まあやの同級生対決。グループ内では1期生と4期生という関係だが、お互いタメ口で話したりと、変わらず仲のよいことでも知られており、加えてクレイジーな2人でもある。過去に他番組では共演しているものの、『乃木中』でこの組み合わせが見られるとは思っていなかったので素直に嬉しかった。
ところで、弓木といえば、先日放送された『乃木坂46時間TV』の「表題曲ランキングTOP 10」を発表するコーナーで「生田絵梨花さんはまだご存命…」と迷言を披露し、バナナマンから盛大なツッコミを受けたり、「乃木坂電視台」でも“弓木奈於のシンデレラチャレンジ”と題したツッコミどころがありまくりな企画に挑戦したりと、「弓木ワールド」と称される独特な世界観でファンの心を釘付けにしていたのが記憶に新しい。そんな弓木が今回も大暴れ!
褒める企画にも関わらず、弓木は「なんでだ!? こんなに卵形」「髪の毛がすっごく長くなったり、短くなったり自由自在」と迷言を連発し、スタジオを爆笑の渦に包んでいた。これを素でやっているのか、はたまた計算でやっているのか読めないあたりが、弓木の末恐ろしいところである。あのバナナマンすらも圧倒してしまうんだから本当に弓木のポテンシャルは計り知れない。
近頃はバナナマンも弓木のポテンシャルに気づいたようで、積極的に絡みにいっている印象もある。引き続きバナナマンと弓木の絡みには注目したい。
遠藤さくらへの愛が尋常ではない矢久保美緒
前編の最終対決は矢久保美緒と遠藤さくらによる対決。矢久保が遠藤のことを好きなのは知られているが、その熱量が尋常ではないのだ。『乃木坂スター誕生!』(日本テレビ系)でも突撃レポーターだった矢久保は、歌唱を控える遠藤を覗き見し、まるでファンのようにはしゃいだりと、こちらが恐縮してしまうほどの愛を遠藤に向けていた。
今回の対決でも登場してすぐに「さくちゃん大好き」と一言。対決でも「さくちゃ~ん」「かわいくて大好き」と無邪気な姿を見せる矢久保からは遠藤への抑えきれない愛が伝わってきた。宮崎駿作品に登場するキャラクターのように振る舞う矢久保に対し、「宮崎抜いて!」とバナナマンの2人からは猛ツッコミ。“ジブリキャラ”という矢久保の新たなキャラクターが誕生した瞬間だった。これにはバナナマンの設楽も「矢久保いいね~」と絶賛! 筆者も矢久保が『乃木中』でここまで振り切ってくれるとは思ってもいなかったのでびっくり。
今回の放送のMVPは間違いなく矢久保だろう。矢久保の人懐っこいキャラクターはファンならば知っているものの、なかなかそこにスポットライトが当たってこなかった。今回の放送で矢久保の天真爛漫な魅力が広く知れ渡ったのではないだろうか。また、遠藤との対決をセッティングして、矢久保の魅力を引き出してくれたスタッフさんにも拍手を送りたい! 4期生の個性が知られていくのは良い流れだし、これから他の4期生メンバーも積極的に個性を出していってほしい。
「これぞ乃木坂46!」と言えるほっこりとする企画に終始笑顔の絶えない30分だった。予告を見る限りでは、後編も名勝負が繰り広げられる予感。
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