音響機材にアバター… 次いでVTuberに必要なものは「強いメンタル」 !?
MEGWIN:活動を始めるにあたって、費用はどれくらいかかりました?僕的にはゼロ円から始められると思っているんですけど。
翆:私は一桁万円台ですね。これはピンキリで、いろんな戦略があると思うんですけど、成功したいならお金はかけまくるべきですね、最初から。最近のVTuberさんで成功している人は、軒並みお金をものすごくかけていて、お金をかけずに成功できる例っていうのはかなり稀かなと思います。
MEGWIN:それはリアルなYouTuberにもいえるような気がしますね。お金かアイディアか、人生捨てるかどれか(笑)。
翆:スキルもありますね。飛びぬけてスキルや人気のあるイラストレーターさんがVTuberをはじめるとか、そういうケースだと登録者数が伸びたりするので、自分自身でスキルを持っている人とかは強いですね。
MEGWIN:そういうパターンが伸びるんだ。翆さんが参考にしている配信者の方っていますか?
翆:自分が参考にしているのは、「ハニスト」っていうグループの西園寺メアリさんっていう方ですね。この方が、大人のお姉さんで癒し系っていうところでタイプが私と似ているので、語り口とか雑談の方向性とか、そういうところは参考にしています。
MEGWIN: 大人のお姉さんで癒し系の方もいるんですね。キャラってかぶるとやっぱり難しいですか?
翆:かぶってしまうと、競合のなかからどうやって自分の魅力をアピールするかの戦いに入ってしまうので、それよりはやっぱり競合の少ない部分にいったほうがいいですよね。
MEGWIN:なるほどねー。翆さんって、ゲームとか歌ってみたとか、雑談とかの企画を中心に配信でされていると思うんですけど、企画はどうやって決めているんですか?
翆:これはね、めちゃめちゃ複合的に決まりますよ。ベースはやっぱり、いま人気があるものですかね。いまリスナーさんが求めているものをやるっていうのが前提にあって、あとは、私自身の「今日やりたい」っていう気持ちを重要視したり、いろんなゲームタイトルが一定周期でまわるようにやっています。
MEGWIN:ニーズから入って、気分と周期か。いまのところ、これがベスト?
翆:そうですね。あとは、再生回数を伸ばしたいからやることと、やりたいからやることとは自分の中でちゃんと区別するようにしています。
伸びるためにやっていることがハズレたら悲しいですけど、「これは今日、どうしても私がやりたい」って思ったことをやって伸びなくても、それはしようがないかなって諦めがつくので、そこの線引きはちゃんと自分の中でするようにしています。
MEGWIN:なんか長く続けられそう。僕は数字重視で考えていたので、ずっと心が痛かったです。
翆:新人VTuberさんの相談にのっているなかで、「(再生回数を)伸ばしたいけど伸びなくて心が痛い。けど、やりたいことしかやりたくない」みたいな人がたくさんいるんですよ。そういう人にアドバイスするときにも、「ちゃんと切り分けましょう」と言うようにしていますね。
いろんな偉人が失敗を重ねて成功を収めているように、辞めなければ成功の過程でいられるんですよね。辞めちゃうとすべての可能性が終わりになっちゃうから、続けられるっていうのを最優先目標におくといいよーっていうこともよく伝えていますね。
MEGWIN:VTuberって、企画以外にも声が大事なのかなって思うんですけど、声ってなんとかなるもんなんですか?
翆:私はその説に否定的で。声ってそんな悪い人っていないと思っていて、めちゃめちゃいい人は伸びやすいと思うんですけど、普通の声なら伸びるラインにいると思うんですよね。
「私、声悪いんで」っていう人いますけど、たいていの場合は悪いのは声じゃなくて発声方法なので。それはボイトレとかで普通のラインまではいけると思うから、あんまり声はボトルネックにはならないのかなとは思います。でも、録音機器関係は大事ですね。機材はこだわった方がいいです。
MEGWIN:そこはお金かけるところなんだ。イラストとかよりも。
翆:音響は1番大事です。1時間とか2時間、人の話を聞くっていうのは、すごく音質が大事になってくるので、こだわった方がいいですね。
MEGWIN:いいポイントだわ。まずは音響ですね。
翆:そうですね。でもそんなにお金かからないですよ。オーディオインターフェイスが2万円くらいで、マイクも2万円くらい払ったら十分なので。
MEGWIN:まあ、何か趣味を始めるにいたってもそのくらいかかりますからね。音響以外に大切なものってなんですか? 三種の神器的な。
翆:音響機材以外だと、きれいなアバターと、あとは強いメンタルですね。
MEGWIN:強いメンタルね!
翆:もう、これしかないです。本当にいっぱいアンチコメントや荒らしもくるし、とくに女の子は人から悪意を向けられることに慣れていないので、悪意を向けられたときにどうしていいかわからなくなっちゃうんですよね。そういった時に立ち向かえる強い心が、どうしても必要なのかなって思います。
MEGWIN:なるほどね。1番理不尽だったコメントってなんですか?
翆:アンチはもういいんですよ、シャットアウトして終わりなんで。問題は「ファンチ」なんですよ。
MEGWIN:何、ファンチって。
翆:「ファン+アンチ」でファンチなんですけど、「お前のためを思って言ってやっている」「この前コメントで〇〇やれって言ったのに、なんでやらないの?伸びるためにはやらないとダメってわかっていますよね?」みたいな人です。
一見ファンを装ってくるから無下にできないんですよね。そういう人と向き合わないといけないっていうところに心理的な負荷があって、こういう視聴者に困る人がけっこう多いのかなと思います。
MEGWIN:ファンチかー。ファンと見分けがつかないから大変なのか。VTuberとして活動するうえで、日々意識していることってありますか?
翆:めちゃめちゃいっぱいありますね。
MEGWIN:そんなにあるの?
翆:人生単位でいうと、誠実であることっていうのをすごく意識していて。
MEGWIN:どういうこと?
翆:うまくいく人って、最後は人格だと思っていて。人から好かれるとか、尊敬される人間になれるようにっていうので、自分が伸びたからといって、昔仲が良かった人を邪険に扱うことはしないとか、人からみて嫌だと思われることはしないっていうのをすごい意識しています。あと、リスナーさんへの感謝を忘れないっていうのはすべてのYouTuberに共通するところかなと思います。
そういったベースがあって、目的達成に貢献できることをしているかっていうところもすごく意識しているんですが、こだわるポイントって無限にあるんですよ、VTuberって。アバターとか声、動き、配信画面、動画の内容とかいっぱいあるんですけど、無駄なところにこだわっちゃうこともできてしまうんですよね。
たとえばTwitterのヘッダーにめちゃめちゃこだわって、いくらお金かけたとしても、TwitterのヘッダーがYouTubeのチャンネル登録者数とか再生数に繋がることってほとんどないわけですよ。やってもいいんだけど、そうじゃなくてもっと自分が目的としていることに貢献できるポイントに力を入れるっていうところは、気をつけています。
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