『デコピン』の「ガチで結婚して即離婚してみたwww【釣りなし】」は、結婚という人生の節目を“企画”として扱ったことで賛否を呼んでいる。

動画では、たった一度会っただけの男性と婚姻届を提出し、その日のうちに離婚するまでの一連の流れが描かれる。手作りのウェディングドレス、通行人からの祝福、そして簡素な離婚の手続き。

笑いと驚きに包まれた演出の中に、「こんなに軽く結婚を扱っていいのか？」という根源的な疑問が浮かび上がる。

デコピン自身は「一度も結婚しないまま年を取ることへの不安」を語り、「制度を通じて人を好きになるか」を検証したいとするが、それが他者の祝福や制度の意義を利用した“演出”になっていないかという問いは残る。

「まさか泣かされるとは」「フィクションみたいだけど心が動いた」といった反響がある一方で、「倫理観がズレている」「戸籍をもてあそぶな」といった厳しい声も目立つ。

確かに、通行人の祝福や式の感動的な演出には、見ている側の心を揺さぶるものがある。しかしその感情の起伏は、あくまで“やらせ”の中で生まれた一瞬の熱ではないのか。

動画終盤で交わされる「また2人で会いたい」といった言葉も、その背景にある構造を踏まえるとどこかうつろに響く。視聴者の戸惑いやと疑問の狭間で、この“即日結婚離婚”企画は、私たちに問いを投げかけている。どこまでがエンタメで、どこからが超えてはいけない一線なのか。