YouTubeチャンネル『デンジャラス赤鬼』は、 横浜を拠点に赤髪のなきまさんと仲間たちがお弁当を作り、生活に困っている人びとに配る活動をする人助けYouTuberグループだ。

なきまさんが大学生時代にいわゆる“なんでもやる”系ジャンルで始まったデンジャラス赤鬼は、2021年11月現在チャンネル登録者数21万を突破。支援の輪が広がっているのだが、そもそもなぜ人助けの路線に進んだのか……。

今回はMEGWINさんの大ファンだというなきまさんとパッペー君、こーたんが、人助け活動や現在準備が進められている子ども食堂について、MEGWINさんと対談した。

デンジャラス赤鬼、名前の由来は適当だった！ 人助け活動のきっかけと仲間との出会いを振り返る

MEGWIN：YouTubeと人助けを始めたきっかけって何だったんですか？

なきま：もともと全然関係ないYouTubeチャンネルをやっていて。それこそMEGWINさんがやっていたようなエンタメ系というか、笑いを求めた感じをやっていたんですが、全然数字が伸びず。

それでもYouTubeは続けていて、そのなかで路上生活をされている方にハンバーガーを配っている動画に出会ったんです。これをやっていたのが当時高校生のMick（ミック）さんっていう方で。

MEGWIN：高校生！？

なきま：その動画がYouTubeで急上昇1位になっていて、「すごいよいことしている高校生もいるんだなぁ」って思ったんです。

当時は企画で100円のハンバーガーを配っていたんですけど、皆さんの笑顔とか、たった100円のハンバーガーで喜んでいるのを見て、「もっとなんかしてあげたいな」って思ったのがきっかけでした。

MEGWIN：いや、すごいな。YouTuberがホームレスをいじるのってテッパンなんだけど、だいたいみんな心がやましいんだよな。

なきま：最初の頃はすごい言われましたね。もともとは僕もやましかったんで（笑）。

MEGWIN：ここから正義の方向で、人助けにマインドを向けていくのってすごいよね。

パッペー君：なきまはもともと違う相方とコンビを組んでいたんですが、方向性の違いでコンビを解散して。そのタイミングでこーたんとハンバーガーを配る動画を撮影してみようか、っていうのがきっかけだったんですね。

そこからすべてが繋がって、いま考えると解散も全部プラスだったっていうことなんですよね。

MEGWIN：もう凄すぎて何に触れていいのかわからないくらい。でもパッと見のサムネイルがね、絶対数字欲しいでしょみたいな（笑）。

なきま：それは否めないですけど（笑）。

MEGWIN：YouTubeを始めたきっかけっていうのは、「一山当てたる」みたいな？

なきま：もうまさにそのスタンスです。当時の相方が高校の同級生で、美容師をやっていて。あるときそいつに「俺の人生の後悔はお前とYouTubeを始めなかったことだ」って言われて、その次の日からYouTube始めたんですけど、半年間伸びず（笑）。

MEGWIN：そうなんだ。なんでデンジャラス赤鬼っていう名前にしたの？

なきま：由来は実はふたつあるんです。ひとつは当時の相方とふたりでカラオケに行ったときに、YouTube始めるとなるとグループ名がいるっていう話になったんですけど、結局決まらなくて。

カラオケって歌っていないときってCMみたいなのが流れていると思うんですが、たまたま「デンジャラス」っていう文字がパッと目に入ったんです。その後に『泣くな赤鬼』っていう映画の宣伝が流れて、この2つをくっつけて「これでいい」って（笑）。

質問を受けたときに「適当につけた」って言った方がカッコイイからって当時はつけたんですけど。

MEGWIN：なるほど。

なきま：でもこーたんとパッペー君が加わったときにめっちゃ悩んだんですよ。

内容も人助けだし、「デンジャラス赤鬼」じゃない方がいいんじゃないかとか、名前変えた方がいいんじゃないかとか悩んだんですけど、パッペー君が「俺はデンジャラス赤鬼っていう名前好きだよ」って言ってくれて。

よくよく考えてみたら、コロナ禍で大変な人がたくさんいて、人がひとを疑ってしまう時代じゃないですか。こんな時代だからこそ、危険な赤鬼でも人を救わなきゃいけない時代じゃないのかなって。

MEGWIN：こじつけ感が半端ない（笑）。

なきま：こじつけてくれました（笑）。「じゃあ、それが由来でいいじゃん」ってことで、それ以来デンジャラス赤鬼の由来はこっちに変わりました。

MEGWIN：人助けはデンジャラスな奴がやってもいいじゃないかという。

なきま：「俺たちがそういうデンジャラスなことをやる赤鬼になろうぜ」って言ってくれたので、「じゃあこのままの名前でいきましょう」って。最初つけた名前で、僕もめちゃくちゃ気に入っていたんで（笑）。

MEGWIN：見た目と活動内容のギャップがすごいよね。俺も好きなタレントのMEGUMIとEDWINでMEGWINだって先輩に言われてそのまま使っているから、最初はけっこう適当だよね。現在のメンバーが集まった経緯って？

なきま：僕が最初ハンバーガーの企画をやったあとに、たこ焼きをホームレスの方に大量に配るっていう企画をやったんですよ。

そのときに、パッペー君がイベントの仕事をやっていまして、僕はそこで7年間ぐらいバイトしていたんです。

100円のハンバーガーであんなに喜んでくれるんだから、たこ焼きなんか配ったらとんでもないことになるんじゃないかと思って、パッペー君にお願いしに行ったんですよ。「配りたいんですけど、お願いしていいですか？」って。

パッペー君は再生数が1,000回もいかないときからずっとコメントしてくれていて、応援もしてくれていて。僕のYouTube活動を知っていたんで、「じゃあ、一緒にやろうか」って言ってくれたんです。

そこからパッペー君もこーたんも「人助けって相当すごいことだし、いまの世の中にめちゃくちゃ必要なことだよね」って言ってくれたんで、「もう一緒にやっていこうか」って。人助けの路線に一気に変わっていった感じですね。

MEGWIN：そんな誕生秘話があったんだ。器具とかもパッペー君が貸してくれたの？

なきま：そのときは器具も材料も全部パッペーくんがもってくれて。

MEGWIN：全部か、すごいなぁ。無償の奉仕というか、そういう気持ちがないとYouTubeが成り立たない可能性はあるけど、アクションを起こすことがすごいよね。人助けとか憧れるなー。

こーたんは1度チームを離れて戻ってきたみたいなんだけど、戻ってくる経緯って？

こーたん：親に「これで1回やっていきたい」みたいなことを言ったときに、すごい心配されたんです。今まで親に迷惑かけてきたっていうかお世話になったんで、その気持ちには応えてあげたいなと思って、1回抜けて消防士を目指したんですよ。

一応勉強もしていたんですけど、自分の中にも心残りがあったというか。自然と集まった仲間であり、いましかできないってことで、やっぱりまた戻りたいなって。

パッペー君：彼のご両親からしたら、こーたんをちゃんと大学まで出して、「さあ、これで就職だね」っていう雰囲気じゃないですか。

それでこーたんが「なきまと一緒にYouTubeで人助け活動したい」って言ったときに、「あんた、就職しないと今後困るよ」って。どの親もだいたいそう言うじゃないですか。

人助け活動に心残りがありながらもこーたんは消防学校に行って、試験を受ける段階までいったんですけど、「やっぱりどうしても人助け活動をもっとしたいっていう気持ちが溢れた」って途中で言っていたんです。

それでもう一度ご両親に説得に行って、もぎ取ったというか。

こーたん：事後報告みたいな感じです。

MEGWIN：事後報告！？こーたんはこのチームのなかで、どんなことをやっていきたいの？

こーたん：もっと多くの動画を投稿したいんです。だから編集に徹して、みんなを支えられるようになれたらっていう感じです。

活動資金はYouTubeの収益！ お弁当のおかずは野菜炒めが最強？

MEGWIN：編集大変だからね。人助け活動の資金ってどうやって集めているの？

なきま：基本的にはYouTubeの収益です。広告収益はもちろんですけど、毎週月曜日に僕たちがお弁当配る様子を生配信しているんですけど、そのときのスパチャとかが全部人助け活動の資金になるんです。

活動当初はまだ広告収入も投げ銭の額もぜんぜんなかったので、足りなかった分は身銭切ったりしていたんですけど、いまはありがたいことに多くの方に応援してもらっているんで、投げ銭を活動資金にあてて、足らないときは広告収益から賄っています。

あと、「支援したいです」っていう連絡をもらって、ご支援いただくこともあります。

MEGWIN：活動資金に困っていないという言い方も変だけど、活動できるレベルではあるんですね。

パッペーくん：困っていないというよりも、まだまだやりたい人助け活動の目標があるので、そこに向かって活動して、貯蓄して、頑張るっていう感じですね。

MEGWIN：そうだよな、貯蓄がないといつ途切れちゃうかわからないもんな。炊き出しの献立が気になるんだけど、どういう風に決めているんですか？冷めてもおいしいものとか、栄養があるものとか……。

なきま：献立に関しては、自分たちで作りたいなと思うものを作らせてもらっていた時期もあったんですけど、最近は結構支援物資が届くんですよ。

お金とかじゃなくて、「この食材を使ってください」とか「困っている方に届けてあげてください」って送られてくることがあるので、送ってもらった物資のなかから何を作るのか決めたり。半分は野菜炒めですね。

パッペー君：野菜炒め最強説ですね（笑）。

なきま：栄養もすごいとれるし。

パッペー君が料理がすごく上手でいろんな料理ができるので、さまざまな料理に挑戦したりはしているんですけど、視聴者の方から「それっておいしいけど栄養どうなんだ？」みたいなご意見もいただくんです。

パッペー君：それで最近は野菜炒めにいきつきました。キノコやお肉も、野菜も入れられるし、何でも入れられるんで。

MEGWIN：視聴者も心配になっちゃうんだね。

なきま：そうですね。見ている方は優しい方が多いんですよね。