YouTuberには「人の好さ」が必要

Pさんのプレゼンテーション後には質疑応答も実施。時代なのか、YouTubeチャンネルを運営している学生も数人みられ、YouTube運営に関する質問が寄せられた。

ある学生からチャンネル登録者数や再生回数を伸ばす方法を訪ねられたPさんは、「コメントしてくれた人には必ず返信すること」と回答。

ファンであれば推しに認知してもらうことほど嬉しいことはないわけだが、Pさんはこのことをしっかりと認識し、ファンが離れないようにコメント返しを実践しているようだ。

さらに興味深かったのは、Pさんの考えるYouTuberの人間性だ。一言でYouTuberといえども、そのなかにはファンから絶大な人気を誇るクリエイターもいればそうでないクリエイターもいる。

Pさんがこれまで会ってきたYouTuberのなかには、動画内で派手にやる人やはっちゃけたりする人でも、オラオラした人はほとんどいなかったそうだ。

Pさんはこのような経験から、ずっと応援してもらうためには真摯に活動に取り組むこと、人に見られる職業であるYouTuberには「人の好さが大事」であることを学生たちに説いたのだ。

ゲスト講師へのチャレンジは自身と向き合うよいきっかけに

授業後Pさんに取材をしたところ、Pさんが今回ゲスト講師にチャンレンジするきっかけになったのは、もともとPさんのチャンネルの視聴者であり、自身でもYouTubeチャンネルを運営するある学生との出会いにあったことが判明。

YouTuberとして活動していく者として、学生や若い世代に話を聞く機会が欲しいと思っていたことや、「学園祭に呼ばれたい」という想いもあり、ゲスト講師の話がきたときは「めちゃくちゃ嬉しかった」という。

オンラインでの講義だったため、「あまり緊張しなかった」と話すPさんだが、プレゼン資料を作ったのは初めてだったそうで、資料を作り始める際にはどのような話をするのか悩んだと述べた。

自身の経験だけでなく、「教訓みたいなものを入れた方がいいのかな」などと試行錯誤を巡らせたそうだが、そんなときに相談したのは講義でも取り上げた仲間だったという。「ひとりじゃない」という言葉は、ここでもPさんの大きなパワーとなったようだ。

Pさんはまた、話の内容を考えている際には自分がどういう人なのか、これまでどういう風に活動してきて、どのような想いでやっているのだろうと、改めて自身と向き合うよいきっかけになったと話しており、今回の新しいチャンレンジを自分なりに楽しめた様子がうかがえる。

ちなみに100点満点として今回の授業を自己採点してもらったところ、Pさんの答えは「82点」。“楽しく”という軸からブレていなかったことや、学生の反応がよかったことが高得点に繋がったようだが、「資料をもっとカッコよくしたかったな」と、満足と言えない点もあったようだ。

次の機会があるとすれば、実際に企画をやってみるという授業もやってみたいと話すPさん。今回のゲスト講師の体験は、Pさんの新たな可能性が見えた、そんな講義だった。

PさんのYouTubeはこちら:Pさん

※掲載当初から記事の一部を編集しております。

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