『あきとんとん』の楽しい授業では、コーヒーに砂糖を入れすぎた時の救済法から石けんで汚れが落ちる仕組みまで、日常の疑問を科学的に解き明かしている。

特に印象的なのは、激甘コーヒーを冷やすだけで砂糖を取り出せるという溶解度を利用した技で、普段何気なく過ごしている現象にも科学の法則が隠れていることを実感させてくれる。

コーヒーに砂糖を溶かしすぎた経験は誰にでもある。あきとんとんが提案する解決法は、温度による溶解度の違いを活用した再結晶という現象だ。「温かいときにたくさん溶けた砂糖も、冷やすと溶けていられなくなって粒になって出てくる」という説明は、まさに目からウロコの発想である。

さらにろ過を使えば液体と固体を分離できる。ただし実際のところ、そこまで手間をかけるなら最初からコーヒーをいれ直した方が現実的かもしれない。カイロが温まる理由も鉄の酸化という化学反応で説明され、シャカシャカ振る動作にも科学的根拠があることに驚かされる。

「石けんで手がぬるぬるするのは皮膚が溶けているから」という都市伝説についても、あきとんとんは科学的に解明していく。

石けんが油汚れを包み込んで水中に分離させる仕組みや、酸性とアルカリ性が溶かす対象の違い、さらには「コーラで歯が溶ける」という噂の真偽まで、身近な疑問が次々と明らかになる。石けんは弱アルカリ性でタンパク質を分解する性質があるものの、実際に皮膚が溶けるほど強くはない。酸性は金属を溶かし、アルカリ性はタンパク質を溶かすという違いを知れば、掃除用品選びにも応用できる。

この授業を受けた後は、普段の生活が小さな実験室に見えてくるに違いない。