テレビ朝日系バラエティー番組『ノブナカなんなん?』が、10月から毎週水曜19時台のゴールデン枠に移動することとなった。
ちょっと変わった人生を送っている人々の生活に密着し、VTRを見た千鳥ノブと弘中綾香アナが“なんなん?”とツッコミを入れていく同番組。2度のパイロット版を経て、2020年10月から毎週土曜22時25分での30分のレギュラー放送が開始。今回ゴールデン枠に昇格となるとともに、1時間番組に拡大する。
深夜帯や22時台の人気番組をゴールデンタイムに昇格させるというのは、テレビ朝日のバラエティー番組の王道パターンだ。しかし、『ノブナカなんなん?』には少々、不安要素もあるようだ。
「この番組は、基本的に変わった素人の生活をノブと弘中アナとゲストたちが“イジる”構造となっています。ただ、素人イジり番組は、時に制作サイドの悪意が透けて見えることが多いんですよね。もちろんその“悪意”がおもしろくなる要素でもあるのだけど、度を越すと“イジメ”に見えてしまうことも往々にしてある。昨今は何が炎上するかもわからない時代なので、制作サイドが意図しないところで、“素人に対するイジメなのではないか”などと猛烈な批判を受ける可能性も否定できませんね」(テレビ局関係者)
ゴールデンタイムとなれば、内容の“わかりやすさ”が求められることにもなる。その点も、懸念材料となっている。
「現在の『ノブナカなんなん?』で取り上げられる人は、他人とは異なるポリシーを持っている人が基本。つまり、取材対象者本人が納得して登場しているケースがほとんどなんですよね。VTRにも“その変わったポリシーを理解しよう”という視点が入っているんですが、よりわかりやすさを求めたならば、そういった基本をすっ飛ばして“奇人変人大集合”みたいな形になってしまうかもしれない。それこそ、取材対象者を雑にイジり倒すような内容にシフトしたら、いろいろと問題が生じるでしょうね」(同)
逆に、“イジメ”にならないように気を使いすぎてしまうパターンもありそうだ。
「炎上を回避するあまりに、取材対象者にうまくツッコミを入れることができず、挙句の果てに人ではなく“モノ”をイジり始める……なんていうパターンも想定できます。それこそ同じテレ朝の『ナニコレ珍百景』のように、日本全国の珍しいモノを取り上げるようになったら、さすがに『ノブナカなんなん?』の存在意義もなくなります。そうはなってほしくないですね」(同)
意気揚々とゴールデンタイムに昇格するものの、多くの課題を抱えている『ノブナカなんなん?』。時間が繰り上がった途端、つまらなくなって終了……というテレ朝バラエティー番組の最悪パターンとならなければいいが。
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