みなさんは休日、家ではどのように過ごしているだろうか。動画を見たり、映画鑑賞したり、ゲームをしたり…。漫画を読んで過ごす、という方も多いかもしれない。そんな漫画作品の中で、いま最も注目を集めている作品の一つが「呪術廻戦」だ。コミックスのシリーズ累計発行部数が6,500万部を超えるなど、その人気は留まる気配がない。
ジャンプ本誌にて熱い展開を続ける本作だが、なんと公式から今週話の内容がネタバレされる事態に。一体どうしてそうなったのか、そしてファンはどんな気持ちだったのだろうか。
迅速な謝罪対応がネタバレに!? その内容にファンも驚愕
本日発売の週刊少年ジャンプ20号掲載『呪術廻戦』31ページにて誤りがありました。
「所持得点200点」とありますが、正しくは190点です。
欄外にある記載も+20点ではなく、正しくは+10点です。
訂正してお詫び申し上げます。— 呪術廻戦【公式】 (@jujutsu_PR) April 17, 2022
ことの発端は4月18日、Twitterにて呪術廻戦【公式】(@jujutsu_PR)が投稿した謝罪ツイートだ。4月18日発売のジャンプ20号に掲載された「呪術廻戦」ストーリー内に、誤記があったことを謝罪する内容であった。投稿時間はなんと18日の午前0時ぴったり。ミスが見つかってからの対応の素早さに驚きだ。
だが、ファンが驚いたのはそこではなく謝罪文の内容。なんとそれは、「『所持得点200点』とありますが、正しくは190点です。欄外にある記載も+20点ではなく、正しくは+10点です」と、作品を追っている読者であれば、ストーリーが想像できてしまうほど丁寧な謝罪だったのだ。加えて作者・芥見下々先生の謝罪コメントまで出すほどの丁寧さだ。
普通ならば、迅速かつ念入りな対応を称賛する声が上がってもおかしくはないのだが、やはりファンにとってネタバレにつながる内容はきつかったらしい。中にはネタバレに悲しむファンもおり、謝罪ツイートのリプライにも「史上最速のネタバレ」などの声が寄せられる事態となった。
これだけであれば、公式の対応が炎上しないか思わず心配になる人もいるだろう。しかしファンの反応をみていくと、むしろ「史上最速のネタバレ」を面白がっている人が多かったようだ。ファンのこうした行動の原因は、作者の芥見先生の言葉があったことが大きかったといえる。
芥見先生は今回の誤記について、キャラクターの一人・乙骨憂太に強く感情移入してしまったことで、都合良く書き換えてしまった、と謝罪したのだ。この素直な言葉にファンは共感し、先生のキャラクターへの想いが聞けて嬉しいと感じ、公式の対応をむしろ面白がることができたのではないだろうか。
先生の今回の件に関する素直な言葉と、公式の丁寧な対応により、今回は大事にならず収まったと考えられるだろう。
これまでも先生の作品に対する発言は、読者の心を変えてきた
画像は(Amazon.co.jp)より引用
芥見先生の作品に対する素直な発言は、実はこれがはじめてではない。これまでも、キャラクターやストーリーについての自身の思いを赤裸々に語ってくれており、中でも自身の作品作りについて聞かれた際「ストーリーが面白くなるならキャラは殺す」と発言したことは、ファンの中でも有名な話だ。
呪術廻戦は作中屈指の人気キャラ・五条悟をはじめ、魅力的で高い人気を誇るキャラクターが多数存在するため、先生のこの発言に、自分の好きなキャラクターもいなくなってしまう、という不安を感じてしまうファンもいたはずだ。
しかし先生のこの発言は、作品の人気よりも物語の面白さを優先している、という漫画家らしいまっすぐな思いとも取れる。実際この発言を支持し、作品にかける思いに喜んだファンも多かったようだ。読者が常に面白いと感じる、作品を作ろうとする先生の覚悟が、呪術廻戦をここまでの人気作へと昇華させたといえるだろう。
今回のネタバレ騒動も、先生の作品に対する思いを知っているからこそ、ネタバレを受け入れたファンが多かったのではないだろうか。むしろ、キャラクターに感情移入している先生の気持ちが知れたことをうれしく感じたファンもいたことだろう。
魅力的なストーリーやキャラクターだけではなく、自身の作品への真摯な思いをファンに伝えている、芥見先生が描くからこそ大人気作品となった呪術廻戦。さらなる盛り上がりを見せるであろう、今後の展開から目が離せない。
●少年ジャンプ(公式)【集英社】
※サムネイル画像(Image:DenPhotos / Shutterstock.com)
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