動画で登場する川がいつもキレイな理由は? 日本人視聴者はたったの2割という驚愕の事実が発覚

島根県の高津川を訪れた際のAtyくんとういちゃん
島根県を流れる高津川を訪れた際のアティくん(奥)とういちゃん

MEGWIN:動画の内容って決めてから撮影しているんですか?

オッターマン:内容はまったく決めないようにしているんですよ。昔はイベントとか考えてやっていたんですけど、いまは本当にありのままを撮っているだけなんです。

MEGWIN:撮影場所っていうのは、その時に行きたいところにいくのか、季節とかで決めているんですか?

オッターマン:季節については考えていますね。栃木とか寒いところはなるべく夏とかに行くようにして、四国とかは冬に行くようにしています。

だいたいファンの方とかがコメントでキレイな川とかの情報をくれるので、その情報を見て調べて行っています。

MEGWIN:どういう川がいいんですか?

オッターマン:川幅が10m以上あって、水深も1m以上あるようなとことかが、1番楽しそうです。いまいる野呂ロッジキャンプ場はよく泳いでいるところなんですが、水害被害で川の様子が変わっちゃったんです。

MEGWIN:怖くないですか?川の中に入れちゃうのって。戻って来なくなっちゃうんじゃないかとか。

オッターマン:アティは名前を呼べば戻ってくるので。基本的にポケットに魚を忍び込ませていて、もし興味引くものがあって、そっちに行っちゃいそうなときは魚見せて戻しています。

あと、動画ではリードをしていない様子も映っていますが、リードを外す時は必ずそのキャンプ場の管理人さんの許可を頂いています。

MEGWIN:すごいよなー。リードなしでいけるとか。

オッターマン:このキャンプ場は3カ月間住んでいたことがあるので、アティにとって家みたいなものなんです。

けっこう見失うことがあるんですけど、「どこ行ったんだろう?」って思ったら、いつも管理棟の冷凍庫の前で「魚くれ」って鳴いているんです(笑)。ここは縄張りみたいなものなので、どっか行ってしまうという心配はないですね。

MEGWIN:天敵とかもいなそうですしね。カワウソを可愛く撮影する方法を教えていただきたいんですが、いま撮影機材って何使っているんですか?

オッターマン:家のなかだと、SonyのRX100ⅦとiPhoneですね。

MEGWIN:SonyのRX100Ⅶってけっこう新しいやつですね。

オッターマン:でもそのカメラ、ういに噛まれて壊れちゃったんですよ。今はずっとiPhone11使っています。

MEGWIN:iPhone、ほんとキレイに撮れるよな。

オッターマン:iPhoneで十分ですね。

MEGWIN:ですよね。水の中で撮るときは何使っています?

オッターマン:Go ProかOsmoです。iPhoneを最初何回か川に落としちゃって、やっぱりカメラ買わないとダメだなって。

Go ProとOsmoも何回も川に落としていますけど、全然壊れないですね。

MEGWIN:本当に水の中がキレイに撮れているんですよね。天気がいい日が狙い時なんですか?

オッターマン:それもそうですが、基本的にキレイな川にしか行かないんで。

MEGWIN:なるほどね!そういう理由でキレイっていうのもあるんですね。

オッターマン:県とか市が一級河川の水質情報を公開しているんですよ。それを調べて、水質がよくて水が飲めるとこや、アユとかヤマメが生きている水があるところを狙って行っています。

MEGWIN:なるほど!ちゃんと数値がデータとして出ているから、行く前からある程度の透明度は保証されているんですね。

オッターマン:そうですね。川に行くといっぱい水を飲むので、キレイな川じゃないと。

MEGWIN:多摩川なんか入れられねーぞと。

オッターマン:意外と住宅街のなかでもすごいキレイな川ってあるんですよ。静岡県の三島とかは、街の中に流れている川がすごいキレイで。

私は神奈川県に住んでいるんですけど、家の近くも水質はかなりいいですね。

MEGWIN:じゃあ、カワウソと暮らすのに適した場所なんですね。そこにわざわざ引っ越したんですか?

オッターマン:もともと住んでいたので、カワウソをお迎えすることもできるかなと考えていたんです。ただ、街中じゃなくて自然のあるところを好むみたいで、結局は自然のあるところに行くことになりますね。

MEGWIN:よく川に行くとのことなんですが、水場で撮影する際の便利グッズってありますか?

オッターマン:夏であれば、Go Pro1本でやっています。冬はウェットスーツとおもりを持って行って、川底まで一緒に潜りますね。

MEGWIN:棒を突っ込んでじゃなくて、Go Proは持つ感じですか?

オッターマン:棒を突っ込んでいると、どこを撮っているのかわからなくなるんですよ。あと、一緒に潜って遊んであげると喜ぶので。

MEGWIN:表情的にもよいものが撮れると。

オッターマン:アティは遊んでいるだけなので(笑)。

MEGWIN:1本動画作るのに、何時間くらいかかるんですか?

オッターマン:川で遊んでいる時間は2時間くらいなんですが、撮影は20分くらいです。遊ぶことが1番の目的なので、撮影自体はそんなに時間とらずにちゃちゃと終わらせています。

MEGWIN:編集ってどれくらい時間かけているんですか?

オッターマン:20分撮ったものだと5分くらいの動画になります。5分くらいの動画を作るとすると、1、2時間で編集は終わるんですけど、翻訳がすごい時間かかるんですよ。

翻訳に2時間くらいかかっていますね。

MEGWIN:翻訳ってどのようにやっているんですか?

オッターマン:このチャンネルって主言語が英語で、日本語が翻訳なんですよ。英語を翻訳機にかけて、20カ国語に訳していますね。

MEGWIN:海外の視聴者ってどれくらいいるんですか?

オッターマン:8割が海外で、日本の方は2割ぐらいしかいないですね。

MEGWIN:えー!日本人少ないですね。

オッターマン:アメリカが1番多くて、最近やたらとインドが多いですね。

MEGWIN:飼っちゃいけない国ってありますもんね。

オッターマン:基本的にアジアだけだったと思うんですよね。

MEGWIN:ここを見てほしいというこだわりポイントってありますか?

オッターマン:1番みてほしいなと思うのは、川で自由に好き放題泳いでいるところです。やっぱりアティはその時が1番楽しそうで、嬉しそうなんですね。

MEGWIN:これまでの撮影の中で1番のハプニングってなんですか?

オッターマン:やっぱり骨折したことですね。ドキっとしたのはキャンプ場でクマに遭遇したことです。アティがずっと見ていたので、「何だろう」って思ってよーく見てみたらクマだったんです。気配を感じたんでしょうね。

カワウソは「噛む」 カワウソを迎える際の注意点を聞いてみた

自宅ソファで寛ぐAtyくんとういちゃん
自宅ソファで寛ぐアティくん(左)とういちゃん

MEGWIN:カワウソと暮らす際に気を付けることをおうかがいしたいんですが、今って届け出が必要なんですよね?

オッターマン:2019年の11月にカワウソがワシントン条約の附属書Ⅰへの掲載に変更になりまして、それ以降にカワウソを迎え入れる場合は登録票が必要になりました。

管理機関の一般財団法人自然環境研究センターに届け出を出す必要があるのですが、登録票の取得には入手経路を明確に示す必要があり、厳密な審査があります。

アティとういは2019年11月より前に来ているので、本来登録票は取得する必要がないんですけど、法律が変わったあとに申請して、取得してあります。

MEGWIN:いまって、新しくカワウソってお迎えできるんですか?

オッターマン:難しいと思います。ちゃんと国に届け出がされている子だったらお迎えできますが、数はとても少ないと思います。

たとえば、アティとういは両方とも届け出を出しているので、その子供は親が届け出しているから、子も届け出が出せるんですよ。その子供がほかのオーナーさんのところに行くのは可能ですが、いまのところ誰かにお譲りすることは考えていません。

MEGWIN:これからカワウソをお迎えする方が知っておくべきことってありますか?

オッターマン:人生をかけて向き合う覚悟がある方でないと難しいと思いますが、カワウソはまず噛みます。最初は血まみれになります。

あとはとにかくお金がかかります(笑)。食事もそうですけど、水に入るのでハーネスも劣化して1カ月で壊れますし。獣医さんもかかるし、ゲージも錆びてしまって1年に1回買い換えています。

MEGWIN:鳴き声が止まないとかは?

オッターマン:最初は鳴き止まないんですけど、うまく接してあげると鳴かなくなるんですよ。基本カワウソは不満があるときに鳴くので、満たされると鳴かないんですよ。

アティとういは自宅だとほぼ寝ているだけです(笑)。川で1日1時間くらい泳がせていると、もう静かです。

MEGWIN:ストレスがなくなるんですね。

オッターマン:もしカワウソが鳴きやまないのであれば、何かしらストレスとか不満とか、そこら辺を見直してあげないといけないんじゃないかなと思います。

MEGWIN:今後の目標とかチャレンジしたいこととかありますか?

オッターマン:全国のいろんな川に行っているんですけど、全部の川に行きたいです。水質ランキングが毎年発表されているんですけど、その1位の川を巡って行きたいですね。

あともうひとつは、もしうまくいけば繁殖して数を増やしたいですね。カワウソは絶滅危惧種になっているので、ちょっとでも増やしてあげたいですね。

MEGWIN:いまアティとういちゃんの関係ってどんな感じですか?

オッターマン:ちょっとウブなカップルっていう感じです(笑)。タイミングが合わなくて、アティがういを求めているときもあれば、ういがそれを嫌がるときもあるし、その逆もあったり。上手いこといかないです(笑)。でも特にういがアティにゾッコンなので仲は悪くないですね。

よそのカワウソちゃんに会うことが何回かあったんですけど、ういがものすごい威嚇して。アティとよそのカワウソちゃんの間にわざわざ入って威嚇するんですよ、とられまいと(笑)。

MEGWIN:うまくいくといいですね。コラボしたいチャンネルはあるんですか?

オッターマン:基本的に一緒に川で遊べるチャンネルの方であれば大歓迎なので、ぜひカワウソがいらっしゃるYouTuberさんやキャンプ好きのYouTuberさん、野呂ロッジキャンプ場に遊びにきてください。

アティくんとういちゃんがよく遊んでいる野呂ロッジキャンプ場は、災害に強いキャンプ場へと生まれ変わるべく、10月29日までクラウドファンディングを実施。目標の5百万円を3日目にして達成するなど、現在着々と復興へと歩みを進めている。

今回のインタビューには、オッターマンさんと一緒にアティくんも同席。 MEGWINさんもアティくんの可愛さに一撃され、終始和やかなインタビューとなった。

アティとういの可愛さ溢れる動画のみならず、日本の豊かな自然も堪能できるAtyチャンネルは、この先もきっと2匹の元気な姿とキレイな川を視聴者に届けてくれるだろう。

AtyのYouTubeはこちら:Aty
取材・文:らいばーずワールド編集部

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