キッチンシンクや換気扇、お風呂、エアコンなどのハウスクリーニングの様子を公開している YouTubeチャンネル「お掃除職人きよきよ」。
登録者数 19 万人(2021 年 10 月現在)を突破したお掃除職人歴 34 年のきよきよさんが運営する同チャンネルは、お掃除をする前には見ておきたい、そんな参考動画が並んでいる。
今回は YouTuber の先駆者 MEGWIN さんが、きよきよさんにお掃除現場での出来事やYouTube の運営についておうかがいした。
清掃会社から独立しハウスクリーニングの世界へ 職人のワザを届けるため YouTube を開始!
MEGWIN:お掃除のお仕事に就いたきっかけを教えてください。
きよきよ:知り合いが経営していたお掃除の会社に就職して、10年弱くらい経った時に独立しました。引っ越したのもあって、そこの会社から物理的に独立っていうことになったんです。
その時は家の中の掃除ではなく、ビルやオフィスビル、その窓とか絨毯とか、店舗の床とかそういうのがメインでした。
MEGWIN:清掃業っていうと、そういうイメージの方が強いですよね。
きよきよ:そうですよね。独立してひとりだと、そういう大きいところは無理なんですよ。それで、家の中だったらひとりで始められるっていうことで、ハウスクリーニングをやっていくようになったんです。
MEGWIN:独立してお掃除の仕事をしていくなかで、YouTube を始めたきっかけっていうのは?
きよきよ:YouTubeには清掃業やっている人の動画を見てみたい人もいるはずだと思って。自分も職人さんのワザを見るのが好きなので、それで始めました。
動画をあげていくと、質問とか「こういうのをあげてください」というリクエストが増えてきて。いつもやっていることだからカメラを回してみようかなって思ったのもきっかけでした。
1 番過酷な現場はペットがいる家? 経験不足で失敗の過去も
MEGWIN:趣味が高じて始めたんですね。今まで行った現場で 1 番大変だった現場ってどこですか?
きよきよ:独身男性の家とか、ゴミ屋敷もやりましたし。意外と汚いのは独身女性の家だったんですけど、1 番大変なのはペットを飼っているお宅。
MEGWIN:ペットってそんなに……?どこが大変なんですか?
きよきよ:ペットのことをよく管理して、世話してくれる方ばかりじゃないんですよね。ペットの毛ってそこら中に飛んでいるし、気が付かないかもしれないですけど天井にも毛がいっぱいつくんです。
窓を掃除しても窓の隙間に毛がいっぱい挟まっているし、全部拭かないといけないっていう。
あと猫がおしっこするともう、ニオイがとれないんですよ。ニオイが全部ついているので、その痕跡を消すのが凄い大変なんです。
MEGWIN:人間が汚す部分は簡単に掃除できるっていう。
きよきよ:人間が汚した部分っていうのは、汚いですけど落ちる汚れなんですね。汚す場所っていうのは、水周りとか台所とかって決まっているんですけど、ペットは人間が普段プロテクションしていない畳とか床とか、染みていくところとかを汚していくんですよ。
MEGWIN:猫を飼っているお宅で、1 番苦労するのはニオイですか?
きよきよ:そうですね。でも実は猫よりもすごいのを飼っていたひとがいて。ブタなんですけど、すごいんですよ、ニオイと汚物が。
MEGWIN:ブタ飼っていたんでわかります!
それってどういう依頼なんですか? 「ブタを飼っているんですけど、ブタ小屋をきれいにしてください」なのか、「掃除しに来てください、ブタいますけど」なのか。
きよきよ:住んでいた人はもう引っ越した後だったんです。とてもじゃないけどニオイと汚物がひどくて住めないからリフォームしたいけど、大工さんすら入れないと。とりあえず大工さんが解体できるような状態にしてほしいということだったんです。
壁も床も糞がついて固まっていて、しかも夏だったのでアンモニアのニオイも凄かったですね。どうせ壊すんだからって、消毒しながら高圧洗浄機で全部洗いました。
あと、空き家にハクビシンが住み着いていて大変なことになって「掃除してほしい」となると、私たちもノミとかに刺されるんです。そういったところも苦労する点ですね。
MEGWIN:カビとかよりも害虫のほうが大変なんですね。
きよきよ:現場に行って水がでないときもありますし、水が出ないだけじゃなくて電気もつかないけど掃除してほしいという依頼もありますね。しょうがないから水はどこかからバケツで汲んできて。
最低限のお掃除しかできないので、ほうきとちりとりと、コードレス掃除機を充電が尽きるまで使って掃除します。
MEGWIN:無茶ぶり多いなー。
きよきよ:行って気が付くんですよね(笑)。前もってわかっていればちょっとは準備していけるんですけど。
不動産屋さんにいつ掃除で入るか伝えて行っても、「忘れていた」と言われることもあります(笑)。
MEGWIN:お掃除現場での失敗談ってあるんですか?
きよきよ:ちょこちょこありますよ、失敗。モノを壊してしまうのが失敗でしょうね。若い時は経験がないので、なんでも完璧に仕上げようと思って、窓ガラスを全部外して洗っていたんです。
家っていうのは、年数が経ってちょっと傾くと窓が外れにくくなって、もっと傾くとスライドしなくなるんですが、窓を無理やり外そうとしてバキーンと割ったことがありました。
経験があれば「しょうがないから外さないで洗おう」って思ったはずですが、経験がないときは「こうやらないといけない」って思い込んで、壊してしまったことはありますね。
あと、経験不足から素材にキズをつけてしまったことがありました。
MEGWIN:そういう失敗の上に、いまのきよきよさんが立っているんですね。
きよきよ:なんでも職業ってそういうものじゃないですかね。失敗して学べる人は 2 度と同じ失敗はしない。人間なんでもそうで、やっぱり若いときって失敗しますよね(笑)。
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