『ジョンレノちゃんねる』のパパが「YouTuberを引退します。」を投稿した。

11年間続けたインフルエンサーとしての日々に終止符を打つ告白動画である。

29歳のシングルファザーとして5歳の娘を育てながら、借金1700万円を抱える現実。

有名になって借金を返すという夢を諦め、別の仕事に専念する決断を下した。

高校卒業から11年、彼の活動歴は試行錯誤の連続だった。

借金は1700万円まで膨らみ、グループと個人を行き来し、一時は演者を辞めて裏方に回った時期もある。

「有名になって登録者を増やせば、お金も稼げて借金も返せる。そんな自分が人に勇気を与えられる」。その思いを支えに走り続けてきた。

しかし現実は違った。今のフォロワーは、YouTuberという言葉すら珍しかった時代の遺産だ。

芸能人が当たり前にSNSをする今、一般人がトップに立つのは難しい。

「無理じゃないか」と気づいた瞬間だった。トップクリエイターの元で働いた経験が実力差を痛感させた。

「本当に心が折れた」。夢を追うことの残酷さを、彼は正直に語る。

引退を決めたもう一つの理由は、娘の変化である。

2人暮らしの頃、寂しさを埋めるために始めた娘との動画。視聴者からの応援やプレゼントに、娘は喜んでいた。

しかし今は実家で祖父母や親戚の子供たちに囲まれている。「すっごい毎日楽しそう」に過ごす娘の姿を見て、彼は悟る。

遠い目標を追うより、今やるべきことをする方が大事だと。

「社会に出たこともない自分」を恥じる彼。「普通に就職して勤務する人は本当にすごい」と語る言葉には覚悟が滲む。

動画は不定期で続けるという。娘が嫌がるまで、一緒に撮り続ける。

夢を諦めた先に見つけた、小さくても確かな幸せ。それが彼の新しい出発点である。