
『ナカイドのゲーム情報チャンネル』の「【データ公開】4月から収益が激減…YouTuberがどんどん廃業していきます」は、登録者40万人のゲーム系YouTuberが自身の収益データを公開し、業界の厳しい現状を赤裸々に語った注目の動画である。
これまで「YouTuber終わった論」は何度も囁かれてきたが、今回は具体的な数字とともに本格的な危機が浮き彫りになっている。
最も衝撃的なのは、具体的な広告単価の下落データである。ナカイドによると、今年4月の1再生あたりの単価が昨年同月比で18%減、5月は20%減という深刻な状況。「桁が減ってる」という率直な表現からは、数字を見た時の驚きが伝わってくる。
背景にはゲーム業界の不況によるゲーム広告の減少と、Amazonプライムビデオへの広告導入による競争激化がある。プライム会員1400万人という巨大な広告枠が新たに生まれたことで、YouTube広告の価値が相対的に下がったという分析は説得力がある。
ショート動画の収益も同様に激減しており、BGM権利収入を活用した裏技的な稼ぎ方も制限されてしまった。これらの変化は一時的なものではなく、構造的な問題として今後も続く可能性が高い。
もう一つの深刻な問題は、個人YouTuberと企業系チャンネルの格差拡大である。
芸能人や地方テレビ局などの「手堅いチーム運営」のチャンネルが増加し、スタッフ10人体制で制作する高品質コンテンツが台頭している。これらのチャンネルは広告収入ではなく、スポンサー獲得やタレントの知名度向上を目的としているため、収益性を度外視した投資が可能だ。
一方、個人YouTuberは企業案件に依存せざるを得ないが、ゲーム業界の不況により案件自体も減少している。メンバーシップやグッズ販売もゲーム系との相性が悪く、新たな収益源の確保は困難を極める。
ナカイドは今後、ゲーム制作過程をコンテンツ化し、クリエイターにスポットを当てた独自路線で差別化を図る方針を示している。この動画を見れば、好きなことを仕事にする難しさと、変化に対応する重要性を痛感するはずだ。
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