木村堂本焚火
木村拓哉

『木村拓哉』の「【木村さ~~ん!】木村拓哉&堂本剛 最高の先輩後輩で本音の焚き火語り」は、焚き火を前に、堂本剛が心を開きながら語る姿が印象的な一幕である。

都会の喧騒を離れた“音のない”時間の中で、ふたりの静かな絆が浮かび上がる。

「お兄さん」と呼ぶ距離感に見える、穏やかな敬意

堂本が焚き火に魅せられていった過程を語るなかで、「自然の音だけに包まれる瞬間がたまらない」と表情をほころばせる。

焚き木がはぜる音、川のせせらぎ──音楽に囲まれる日常とは対極の環境に引かれていく理由に、木村も深くうなずき、「剛はふだんあれだけの音数に囲まれてたら、こういう無音の世界、川のせせらぎと焚き木がパチンとはじける音しかしないところにあこがれるのも、わかるわ」と理解を示す。

堂本は木村を「お兄さん」と呼ぶ。そこには長年の信頼と尊敬が込められており、ふたりの関係性が言葉の節々からにじみ出る。決して多くを語らずとも、焚き火を挟んで交わされる視線と声のトーンが、穏やかな信頼を物語っている。

「エモい」の声続出、“尊い”空間が生んだ唯一無二の時間

「エモい」「ここでしか聞けない話があった。尊い」といった反応が相次ぎ、多くの人の心に静かに火を灯した本作。お互いを10代から知り、第一線を走り続けて、年を重ねた者同士にしか生まれない絶妙なバランスがある。

火を見つめながらお互いに感じていたことを語るところは、この空間でしか出てこない言葉であり、流れる時間の濃さに息をのむ。

目に見えない絆を、ただ共有する時間の中で感じ取る。この静寂こそが、最も雄弁な語りなのかもしれない。

出典:木村拓哉

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