
逆に詐欺師を騙して無駄な時間を浪費させ、その間に騙される被害者を減らそうという試み「スキャムベイティング」
チャンネル登録者数370万人を抱える海外のYouTuber・Kitboga氏は、AIを駆使してスキャムベイティングを行うその一人。いわゆる、現代の「クロサギ」だ。
日本でも近年、特殊詐欺の手口は巧妙化しており、AIを悪用したケースも珍しくはない。
例えばChatGPTやGeminiといった文章生成AIは本来、ビジネス文書のフォーマットを作らせたりメールの内容を要約させるといった活用方法こそ好ましいが、ほんの数秒のうちにキレイな文章を書けてしまうことからソーシャルエンジニアリングのための文章を書かせるといった悪用もできてしまう。
また、最近では音声もAIで自動生成することも可能だ。
こうしたものを、ボットを使用して24時間ネット上にばら撒き続けるとどうなるか。
いつ、誰がどこで騙されるかわからない。まさにネットの現状だ。
故に、そうした特殊詐欺から人々を守ろうとする「自警団」と呼ばれる人たちも、AIを活用している。
具体的には詐欺の手口のパターンを機械学習させ、注意喚起やスキャムベイティングに応用するのだ。
Kitboga氏は不審な電話があった際、相手がボットかどうかを見抜く方法として、「チキンスープのレシピを教えてほしい」といった質問をしてみると良いと話す。
相手がボットであれば、なんの脈絡もない質問にも応じてくるからだ。
以前に読んだ小説で、探偵役のAIと犯人役のAIが事件を舞台に戦うというものがあったが、まさか似たようなことが現実となったのには驚きを隠せない。
AIの発達は驚くほどのスピードだ。だからこそ、AIだけでなく我々人間もその扱いを学習していかなくてはならないのだろう。
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