坂上忍やヒロミ、有吉弘行など“再ブレイク”を果たした芸能人は多いが、ここに来て永野が存在感を増している。
永野は長い下積み時代を経て、2016年頃に「ラッセンが好き~」というネタでブレイク。
その後、一時はテレビから消えたものの1~2年前から露出が増えて、今年10月からは『フロンティアで会いましょう!』(NHK)、『永野&くるまのひっかかりニーチェ』(テレビ東京系)の2番組でMCを務めるなど派手な活躍を見せている。
「永野はラッセンネタでブレイクしましたが、元々の得意ネタは毒舌。芸人の間では以前からその実力を高く評価されていましたが、近年テレビやYouTubeで毒舌を吐き散らかしたり、芸人を斬りまくったりして、芯を食ったコメントで周囲をうならせていす。他方、映画や音楽にも造詣が深く、サブカル方面でも脚光を浴びる存在に。これまではゲストでの起用がほとんどでしたが、満を持してMCに抜擢され、今やお笑い界のキーマンと言っても過言ではありません」(芸能ライター)
近年の芸人界ではもう中学生やなかやまきんに君、小島よしおなどが再ブレイクを果たしたが、MCまでたどり着いたのは永野のスキルの高さの表れだろう。
加えて、その背景には業界内の切実な事情も関係しているという。
「テレビ業界ではたけし、タモリ、さんまのBIG3の時代があまりに長く続き、所ジョージやダウンタウン、ウッチャンナンチャンといった第3世代のトップグループも健在です。そうした中、近年は有吉弘行や千鳥、かまいたちが頭角を現し、ようやく世代交代が進みつつあるのですが、その一方でさらに下の世代の霜降り明星やEXIT、チョコレートプラネットらは今ひとつ結果を残せていません。ハライチの『ぽかぽか』(フジテレビ系)も全然ダメですし、『ジョンソン』(TBS系)もあっという間に終わってしまいましたからね。そんな状況下で白羽の矢が立ったのが永野というわけです」(同)
前述のように永野のトーク力に関してはすでに業界内でも一定の評価を受けており、テレビマンが“ゲストでなくMCで使ってみたい”と考えるのも自然の流れだろう。
毒舌を武器にして再ブレイクした点はかつての有吉を彷彿とさせ、業界内の期待値が高いのもうなずける。
実際、深夜帯とはいえ、NHKがMCで起用したのは“ホンモノ”だ。
もっとも、業界関係者がプッシュすれば売れっ子になれるほどテレビの世界は甘くないわけだが、芸能ジャーナリストの竹下光氏は永野のMCとしてのブレイクの可能性についてこう語る。
「永野さんに関してはゲストとして出演した他の芸人のYouTubeチャンネルの再生回数がアップすることが業界内でも噂になり、配信番組での活躍もあって再ブレイクを果たしました。頭の回転の速さや卓越したトーク力にコメント力、知識量の豊富さなどタレントスキルの高さは非の打ちどころがありません。ただ、MCとなると自分が前に出るよりも共演者など周囲を活かす場面も増えてくるでしょうし、そのあたりの押し引きも重要になってきますからね。周りに気を使い過ぎるあまりジレンマを抱えたり、ゲストの時のような良い意味でのアクの強さを発揮できるかがポイントになってきます。あと、女性視聴者ウケをより意識する必要もありますから、“毒”を吐きながらもどこか許される可愛らしさや清潔感をアピールできるかも重要でしょう」
「猿岩石」時代に『進め!電波少年』(日テレ系)のヒッチハイク企画でブレイクするもその後にどん底時代を経験し、“毒舌あだ名”芸で再ブレイクを果たした有吉も再浮上した当初はかなり尖っていて、その狂犬ぶりで周囲の芸人たちからは恐れられていた。
だが、『NHK紅白歌合戦』の司会を務めるなど、日本を代表するMCの一人となった今ではすっかり好感度タレントとなっている。
「確かに、ゴールデンまで行くには永野の持ち味である尖った部分を相当に削ぎ落とさないといけないのは事実です。有吉も最近の『有吉の壁』(日本テレビ系)や『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)を見ると、すっかりおとなしくなりました。『有吉くんの正直さんぽ』(フジ系)も当初は本当に“好き放題に言う番組”でしたが、あっという間にただの散歩番組になりました。永野がソフトになれるか、もしくはカルト芸人としてそれを拒むかは興味深いところです」(前出の芸能ライター)
また、民放バラエティー番組制作関係者もこう語る。
「女性視聴者を意識した清潔感という点では永野の衣装にも注目です。彼のトレードマークは水色シャツと赤のズボンですが、MCとしてはアクが強すぎます。MCがゲストより目立つのはマズいですし、派手な衣装で視聴者に情報が入らないという問題も生じる。実際、NHKの番組では黒のズボンを履いていましたが、どこまで衣装にこだわりがあるのかもポイントでしょうね」
永野はカルト芸人から“第二の有吉”になれるのか!?
コメントする