つくるさん PF

アニメや漫画、ゲームの武器をダンボールで再現している工作系YouTuber「つくるさん」。集英社が運営するWEBサイト『Vジャンプレイβ』では、「ジャンプの武器を再現」という企画で、毎週ダンボール工作を披露するなど活躍中だ。

ギミック(しかけ)が複雑な武器も設計から自分でこなすというつくるさんは、なぜ工作を始めたのか。インタビュアーにYouTuberのMEGWINさんを迎え、つくるさん誕生のきっかけや作品の秘密に迫った。

「つくるさん」誕生のきっかけは息子さん!? よく使用する道具も紹介

YouTubeでの活動を始めた初期のころのつくるさんと作品『遊戯王』から「デュエルディスク」

MEGWIN:きっかけになった出来事は何だったんですか?

つくるさん:もともと、何かしら自分にしかできないものはないかなっていうのはあったんですけど、ダンボールで工作するのが趣味とかではなかったんです。会社員だったころに勤めていた会社に倉庫があって、そこで廃棄されるダンボールで息子にショベルカーを作ってあげたら喜んだんで、こういうのをコンテンツにやってみようかな、っていうのがちょっとしたきっかけだったと思います。

MEGWIN:じゃあ、一からってことですか?

つくるさん:そうですね。まったくの素人で、何もそういう技術とか設備とかないまま、撮影もスマートフォンでやってました。

MEGWIN:そうなんですね。どこで差がついたんだろう(笑)?

つくるさん:息子の笑顔がみたいからですかね(笑)。

MEGWIN:素敵ですね!

つくるさん:まあ、きっかけのひとつですかね。

MEGWIN:手先が器用じゃないって言ってましたけど、撮影前に練習で何個か作ったりってするんですか?

つくるさん:複雑なギミックがあるものは、試作はします。形を作るだけで完成するものは、いきなり撮影を始めます。

MEGWIN:ギミックがあるものは設計図書いて、試して、また一からつくるみたいな?

つくるさん:そうですね。

MEGWIN:それすごいですよね。ダンボールって意外と重いじゃないですか?耐久性は考えてるんですか?

つくるさん:大きいものを作るときには、重力に耐えられるように考えてます。ただ、もちろん振り回したら壊れます(笑)。ちなみに、お亡くなりになった作品もけっこうあります。持ち帰るのに、車に入らないものとか、ぶっ壊して持って帰るっていう。

MEGWIN:わかるわー。重力との闘いってありますよね。

つくるさん:そうですね。大きくなればなるほど。

MEGWIN:粘着テープの種類とかにだんだんこだわってきますよね。道具ってどんなの使ってますか?

つくるさん:1番は、やっぱり「木工用ボンド」ですね。あとはグルーガンと、レーザーカッターです。

MEGWIN:レーザーカッター使ってるんですね! 設備って、レーザーカッター以外にこれまでどれくらいの金額かかってるんですか?

つくるさん:レーザーカッターが1番高かったんですが、細かいのを考えると百数十万はかけたんじゃないですかね。年数が経ってるんで、償却考えたらそんなにですかね。細かいもの考えたら、もうキリがない。

MEGWIN:ダンボールも毎回買ってるんですよね?

つくるさん:箱じゃなくて板のやつを買ってますね。ボンドも100均のものよりは、ちゃんとメーカー品使った方がよいですね。最初の頃は、100均のグルーガン使ってました。工作を始めた後に、「グルーガンなんてあるんだ」って発見をして、使い始めた感じですね。グルーガンっていうものを知らないで始めてたんで(笑)。

つくるさん作品の秘密を公開!再生回数よりも 「アニメファンが認めてくれるものを作る」

100万PVを突破した『PSYCHO-PASS【サイコパス】』
携帯型心理診断 鎮圧執行システム「ドミネーター」

MEGWIN:速さと精巧さだと、どっちを求めますか?

つくるさん:精巧さ……といえばそうなんですけど。なるべく効率よく作るようにはしてます。設計段階から組み立てはどうするかっていう手順は考えながら組んでますね。

MEGWIN:これまでの作品の中で1番難しくって、時間かかったものってどの作品なんですか?

つくるさん:時間かかったのは、『PSYCHO-PASS(サイコパス)』に出てくる携帯型心理診断・鎮圧執行システム「ドミネーター」ですかね。

MEGWIN:それかー!どの辺が時間かかるんですか?

つくるさん:なかのギミックの設計に時間がかかりましたね。つくるのはそんなに時間かからないんですけど。僕は設計とかの専門ではないので、計算してやるとかではないんですけど。

MEGWIN:いままで作ったなかで、1番大きい作品ってどれですか?

つくるさん:長いものだと、『るろうに剣心』の「斬馬刀」です。それが3.6メートルくらいだったかな。マンガだとシーンによって長さが違うんですけど、アニメだとすごい長かったりとか、身長と対比で考えると、4メートルくらいになっちゃうんですよ。映画だとかなり小さくリメイクされてるんですけど、それはリアルさを追及した結果だと思います。

MEGWIN:作品をつくるときは、大きさはどうやって決めてるんですか?

つくるさん:つくるときは、キャラクターとの身長をもとに計算してますね。

MEGWIN:なるほど。ちなみに途中で断念した作品はありますか?

つくるさん:『進撃の巨人』に出てくる、拳銃型の「立体機動装置」があるんですけど、それは途中でダメになって、そろそろまたやろうかなと。作ったのは2年くらい前なんですけど、その頃はまだパソコンの設計ソフトにも慣れてなくて、あとレーザーカッターもなかったので。もう、ぶっちゃけカッターで切ってられないんですね(笑)。でかいし、パーツ多いし。

MEGWIN:どういうところにこだわって作ってるんですか?

つくるさん:基本的には、アニメとかゲームの二次創作が多いので、1分の1サイズで作るようにしてます。

MEGWIN:ガンダム作るぞってなっちゃった時には……

つくるさん:もう建造ですね(笑)

MEGWIN:ダンボールに色塗ってないじゃないですか、それはこだわりとかがあったりするんですか?

つくるさん:塗装するって、それなりに設備がいるんで。あと、色塗っちゃうとダンボールに見えないんですね。コスプレ造形のチャンネルではないので、あくまでこれがダンボールっていうところがこのチャンネルのアイデンティティなんですね。

MEGWIN:なるほど。素材を楽しむっていうことですね。どういう風に作るものを決めてるんですか?

つくるさん:基本的に自分の好きな作品というか、自分が面白いと思ったものを作ってますかね。あんまり流行はこだわってないですね。

MEGWIN:再生数重視なのか、自分の作りたいもの重視なのか。やっぱり歳を重ねると、再生数重視にはなっていっちゃうと思うんですけどどうですか?

つくるさん:あんまり再生数にはこだわってないかもしれないですね。やっぱり、「これが流行ってるから作ってるんですよね」っていうのが透けて見えちゃうと、視聴者に悪いなって思ってまして。あくまでこのアニメのファンが認めてくれるっていうのを作んないと、多分視聴者わかっちゃう気がするんですよね。「こいつ流行ってるからしょうがなしにやってる」っていうのがわかっちゃうと、よくないなと。

MEGWIN:いままで作ったものは、保管してるんですか?

つくるさん:だいたいは廃棄ですね。置き場所がないので、大きいものは基本的に廃棄です。

MEGWIN:視聴者プレゼントとかは?

つくるさん:二次創作なんで、勝手にあげるのはマズイかなと。

MEGWIN:廃棄するやつ、僕にください。UFOキャッチャーの景品にします(笑)。

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