ええやん_タンクマン

日本を代表するアニメのひとつである『ONE PIECE』。ストーリーに加え、ほかのマンガ作品にはいない特徴的なキャラクターで、世界中のファンを魅了し続けている。

今回インタビューしたYouTuber「ええやん」さんも、小さい頃から『ONE PIECE』が大好きという原作ファンのひとり。YouTubeチャンネルではマンガに登場するキャラクターのフィギュアを制作する様子を公開し、その作品は原作者の尾田栄一郎氏の目に留まるほど注目を集めている。

今回はYouTuberの先駆者MEGWINさんがええやんさんと対談し、フィギュア制作やYouTube活動について話をうかがった。

『ONE PIECE』×フィギュア×モノづくり 好きなことでYouTuberに

ええやんさんが風船を使って制作したモンキー・D・ルフィのフィギュア
ええやんさんが風船を使って制作したモンキー・D・ルフィのフィギュア

MEGWIN:『ONE PIECE』のフィギュアを作りはじめたきっかけを教えてください。

ええやん:『ONE PIECE』とフィギュアとモノづくりが好きだったんです。『ONE PIECE』は魅力的なデザインのキャラクターが多くて、普通の人間型のキャラクターや実在する体系のキャラクターがいるっていうのが面白くて、『ONE PIECE』のフィギュアを作っています。

MEGWIN:自分の趣味嗜好と『ONE PIECE』がマッチしたんですね。ほかの作品じゃダメだったんですか?

ええやん:ほかの作品もやりたいなとは思っているんですけど、やっぱり『ONE PIECE』が1番魅力的だったなと思います。

MEGWIN:フィギュアを作り始めたきっかけって何だったんですか?もともとそういう技術があったんですか?

ええやん:活動を始める前は2、3回作ったことがある程度でしたね。

MEGWIN:学校がそっち系だったとか?

ええやん:いえ、全然!工作とかはけっこう得意だったんです。

MEGWIN:それでなんでYouTubeをやろうと?

ええやん:何かやりがいのあることをやりたいなって思っていて、自分で出来そうだったのがYouTubeだったっていう感じですね。「うまくいくか」というよりは、簡単に始められそうなのがYouTubeだったっていう。フィギュアやる前からYouTubeはやろうと思っていましたね。

キャラクターの能力を表現するには腕よりもアイディア力!

295万回再生を突破しているゴムゴムの灰熊銃(グリズリー・マグナム)を使うルフィのフィギュア (2022年4月時点)
295万回再生を突破しているゴムゴムの灰熊銃(グリズリー・マグナム)を使うルフィのフィギュア (2022年4月時点)

MEGWIN:どのタイミングでなんのキャラクターを作るとか戦略みたいなものってありますか?

ええやん:作りたいキャラクターはつねにいくつかは考えているんですけど、いつ出すかっていうのはけっこうあいまいです。いまから作りはじめて、投稿に間に合うだろうなというキャラクターから作っています。

MEGWIN:作るキャラクター決めるのに、YouTubeの再生数は特に気にしない感じ?

ええやん:そこは考えるときと考えないときがあります。勘ですね。自分の好みで作ることもありますし。

MEGWIN:そこ大事だよね。自分の作りたいのと世間が求めているものがあったときはいいけど、合わなかったときの悲惨さがね(笑)。

ええやん:それは本当に作る側としては“あるある”な話ですよね(笑)。

MEGWIN:フィギュアを1個つくるのに、どのくらいの時間と費用がかかるんですか?

ええやん:時間でいうと5日ほどで、長いものだと10日ほどかけてつくっています。単純に作業にすごい時間がかかるんですよね。コストは安いものだと100円もかからないくらい。高いものだとおそらく6,000円程度かと思います。

MEGWIN:腕なんだね、これは。腕がものをいう世界なんだ。

ええやん:腕もそうですし、アイディア力も大切だと思います。

MEGWIN:確かに、ええやんさんの場合はアイディア力の方が必要そうですよね。『ONE PIECE』のフィギュアって世の中にいっぱいあって、作っている人のなかにはスキルが高い人もたくさんいるから、そこから頭一つ抜けているっていうのは、ええやんさんの想像力がすごいってことですよね。

ええやん:ありがとうございます(笑)。そうですね、想像力も重要かもしれないですね。

MEGWIN:恥ずかしいもの作れないっていうプレッシャーとの闘いがあるかもしれませんが。

ええやん:やっぱり登録者が増えるほどプレッシャーは高まっていますね。

MEGWIN:作品を作るときに使った意外なものとかってあります?

ええやん:意外なものとしては風船やボールを使っていますね。フィギュアっていうと粘土とかレジンとかをイメージすると思うんですけど、僕の場合はキャラクターの能力を再現するために、そういったものを使っています。

MEGWIN:こういう風な切り口でフィギュア作っている人ってあんまりいないですよね。そこがいい。

ええやん:ほかにはいないと思いますね。

MEGWIN:ええやんさんのフィギュアを見たら、パクる人が出てくるでしょうね。ボールがあんなに真っ黒になるなんて思わなかった。

ええやん:ボールはやっぱり塗装が難しいというか。塗ってもはがれちゃったりするので。

MEGWIN:ボールの凹凸とかってどうするんですか?

ええやん:表面がボコボコしていないものを使うんですけど、空気を入れるところは、その部分に粘土で作ったフタを被せて、凹凸がないようにしたりしますね。

MEGWIN:1番印象に残っている作品はどれですか?

ええやん:モンキー・D・ルフィ(以下ルフィ)がグリズリーマグナムっていう技を使っているところのフィギュアです。

MEGWIN:写真と動画でルフィが浮いているのは、何かで釣っているんですか?

ええやん:フィギュアの腕の部分がけっこう大きいので、腕で支えていて、ルフィが浮いている感じですね。

MEGWIN:腕2本で支えているんだ!腕って何で作ったんですか?

ええやん:あれは針金を軸にしてそこに粘土を盛り付けています。ルフィを小さめに作って、軽くしています。

MEGWIN:あの動画のサムネイルもすごいいいですもんね。

ええやん:ありがとうございます。実はあの作品はいつもの作品と傾向が違くて、投稿する前は「これダメだろうなー」って思っていたんです。投稿してみたら大好評で、初めて再生数が100万超えたので、とても印象に残っています。

MEGWIN:それまではどういう動画を出していたんですか?

ええやん:それまでは“ガチ”フィギュアみたいな、ただクオリティを求めたものを投稿していたんです。そのルフィのフィギュアはクオリティというよりは、アイディア寄りになっていたんです。

MEGWIN:このルフィがきっかけにええやんワールドが全開になったんですね。

ええやん:これが転機になったと思いますね。

MEGWIN:それは思い出に残りますよね。ええやんさんの動画ってフィギュアのどこかが細いのが特徴なんですか?サムネイルよく見ると、そういうのが多い気がする。

ええやん:確かに、よく見ると細いのは多いです(笑)。ルフィがそういう能力だからですね。

MEGWIN:カメラと編集ソフトは何を使っているんですか?

ええやん:カメラはiPhone13Proで、編集ソフトはPower Directorを使っています。

MEGWIN:なるほど。どっちかっていうとフィギュア本体に力を入れて、編集はシンプルにっていう感じですか?

ええやん:そうですね。編集はそんなに頑張るようなコンセプトではないので、ただ単純な作業ができれば十分ですね。

MEGWIN:動画1本作るのに、撮影とか編集ってどのくらい時間かかっています?ずっとカメラを回しているんですか?

ええやん:ポイントとなる部分を撮影していて、各作業の最初だけ撮るっていう繰り返しです。基本的には30分くらいの素材をカットして、くっつけていくだけですね。

MEGWIN:ここを見てほしいっていう動画のポイントってありますか?

ええやん:やっぱり最後の作品のお披露目部分ですね。そこの部分はBGMや編集もこだわっていて、映像とBGMがマッチするような編集をしているので、見応えがある部分だと思います。

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