今後の夢はLGBTQを身近に感じられる映画を作ること

MEGWIN：動画の企画はどういうふうに作っているんですか？

奏太：自分の個性である「元女子」っていうところと、映像を作るのが好きなので、「映像」に特化したものを作りつつ、トレンドを取り入れてYouTubeの波に乗れるようにスタッフと一緒に考えています。

MEGWIN：やっぱりトレンドに寄っちゃいますか。

奏太：トレンドを意識するっていうのは、新しく僕を知ってもらうためには大切なことなのかなと思っています。LGBTQだけを発信しても、もともと興味がある方だけに届いてしまうことも多くて、新たに知ってほしい、届けたい人に届かなかったりもするので、トレンドを織り交ぜることで、少しでも色んな人に知ってもらえる機会になればなと思っています。

MEGWIN：そうなの！？LGBTQの動画って再生数伸びないんだ。手話を取り入れている動画があるのは、何でなの？

奏太：両親が耳が聞こえないので、もともと日常会話で手話を使っているんです。それひとつの個性かなということで、両親にも動画にちょこちょこ出てもらっているんですよ。

MEGWIN：ご両親はYouTubeでの活動をどう思っているんですか？

奏太：けっこうノリノリですね（笑）。お母さんがそういうのがもともと好きみたいで。

MEGWIN：いやぁー、理解があるご両親だね。家族がノリノリだとやりやすいよね。そんなご両親も出ているということで、動画の注目ポイントってありますか？

奏太：「性的にも家庭環境もマイノリティではあるけれど、普通に生きているよ、みんなと一緒だよ」っていうのをナチュラルに伝えられたらと思っているので、そういうのを見てほしいなって。いろんな人の考え方とか見方がちょっとでも変わればいいな～と思っています。

MEGWIN：「こうやって僕はいきています！」っていう、Vlogみたいな感じなんですね。

奏太：LGBTQ当事者の方へも「大丈夫だよ」っていうメッセージになればなって感じですね。

MEGWIN：今後の目標やチャレンジしたいことを教えてください。

奏太：もともと、大阪芸術大学の映像学科に通っていたので、映画が作りたかったんですよ。その夢を叶えたいなって。性別を変えるために１度はそっちの道を諦めちゃったんですが、性別を変えて自分らしく生きられるようになって、こうやってYouTubeでも発信できているので、次は映画を作りたいなというところですね。

MEGWIN：どういう映画を撮りたいとかあるの？

奏太：自分のマイノリティな部分を表現しつつ、LGBTQを題材とした作品をまず作っていきたいなとは思っています。いまのLGBTQの映画っていったら、カミングアウトが大変で葛藤があって、辛い人生だっていうけっこう重い描かれ方をされているものが多いと思うんです。スポットを当てるとそこがすごい大事な部分ではあるんですけど、もうちょっといろんな人が身近に感じられるような映画がいいかなと思っています。

　　　海外だと『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』っていう映画があるんですけど、それがめちゃくちゃ明るめに描かれているので、こういうのって日本で作られるようになるにはもうちょっと時間がかかるだろうなって思いつつもやりたいなって。

MEGWIN：小さい配給会社からどんどん登れるようになれればいいね。最終的にはハリウッドで（笑）。YouTubeでの目標ってありますか？

奏太：YouTubeは僕を知っていただく場になればいいな思っています。いろんな映像を作って僕のことを知ってもらって、こんな人もいるんだな〜と知ってもらえるきっかけになればなと。

奏太さんは自身について「性的にも家庭環境もマイノリティ」と話すが、それらを含め“ありのまま”をさらけ出しているYouTubeは、悩みは違うにしても万人が共感できる内容が多い。

YouTubeには多くのLGBTQクリエイターがいるが、奏太さんのようにLGBTQをカミングアウトされた側の意見を聞けるコンテンツを制作しているYouTuberは少なく、その点も「かなたいむ。」の見どころになっている。

奏太さんがこれから作る動画や映画にはどのようなメッセージが込められるのか、今後も奏太さんの活動に注目だ。

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■MEGWINさんについて：
お笑い芸人として活動後、2005年にインターネット放送局「MEGWIN TV」を開設。2009年にYouTubeとパートナー契約を締結し、2017年にはチャンネル登録者数100万人を突破したベテランYouTuber。「オレがオレにオンデマンド（自分の好きなようにやる）」を謳い、日々動画を投稿し続けている。
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