JPさん メインビジュアル

地方で深刻化する空き家問題がニュースになるなど、古民家はいま、大きな関心ごとの1つになっている。そのようななか、元美容師という異色の経歴を持つ“DIY YouTuber”のJPさんは、2020年11月に築150年の古民家を購入。1人でDIYする様子を収めた動画が154万再生回数を記録し、雑誌でも別冊で特集を組まれるなど、注目必須のYouTuberの1人だ。

今回、YouTuberのMEGWINさんをインタビュアーに迎え、JPさんがYouTuberとなり古民家を改修するにいたった経緯や、DIYと田舎暮らしの醍醐味についてお伺いした。

夢を追うため20年身を置いた美容業界からDIY YouTuberに転身

美容師のころのJPさん

MEGWIN:YouTubeを始めたきっかけはなんだったんでしょう?

JP:配管工をしてて、22歳のときに美容師になったんです。その後、30歳で独立して12年間美容室を経営してたんですけど、すごい会社人間というか。会社イコール自分っていう感じだったんですけど、40歳くらいのときに「個人の夢も追いたいな」ということで、世界一周っていうものに行きたくて。43歳のときに1年2か月くらいかけて行ったんです。そのときに、都会にも田舎にも行くわけですけど、すごい田舎に興奮してて。今後の拠点は緑の深い田舎に置きたいなって。で、日本に帰ったらとにかく田舎移住したいと。

あとはDIYをしたいというのがすごくあって。1回美容師っていうのはリセットして、今後DIYでなんとかならないかと。“田舎”と“DIY”で、「じゃあどうするのか?」っていうところで……。DIYで食えるわけじゃないので。

MEGWIN:まあ、そうですよね。“Do It Yourself”って自分で作ったり、修理することですからね(笑)。

JP:そうなんですよ!自分のために作ったところでみたいな(笑)。で、まあYouTubeっていうのが頭のなかにおりてきて。旅してるときは割とスマホで完結することが多くて。スマホの中に今後のフィールドがあるっていうのは、すごく良いことだなと思いつつ、まあ、「やってみるか」という感じで、日本に帰ってきて、田舎に引っ越してきてから「DIY×YouTube」っていうのを始めたのがきっかけですね。

MEGWIN:じゃあもう、「DIYで食うぞ!」みたいな意気込みがあるんですね?

JP:ありますね!「何とかならんかな」っていのはすごいあります。

体にムチを打っても続ける古民家DIYの醍醐味は「達成感」

古民家で作業中のJPさん

MEGWIN:帰ってきて、DIY始めて……。なんで古民家を買ったんですか?

JP:日本昔話に出てくるような“THE 古民家”みたいな形が好きで。古い家っていうのは、買いやすい値段なので。いまDIYしている家も本体価格は90万とかなんですよ。

MEGWIN:え!そんな安いの?

JP:はい。とんでもない値段で売ってるんですよ(笑)。

MEGWIN:僕パネルハウス組み立てましたけど、120万くらいしましたよ?

JP:その分、めちゃくちゃ手間がかかるというか。結局、大工さんとか専門家に頼むと、もう1,000万とかすぐ見積りをだされるんですよ。だから、手が出せないから古い家が残っちゃうっていう。傾いてたりするんで。僕の場合、自分で修理できるので、「じゃあ、買ってDIYしてみよう」っていう感じですね。

MEGWIN:すごーい。どうやって作業してるんですか?調べつつとか、実は経験があったとか。

JP:経験はないんですけど、YouTubeやブログとかで調べながら。お手本にしたり、しないときもあるし。「こうやった方がいいのかなー」とか、感覚値みたいなものもありますけど。調べすぎるとその人のやり方によっちゃうんで、それはそれで面白くないなと思いつつ。自分で試したい方法が試せなくなっちゃうんで、「自分が思ったようにやろう」と思いながらやってます。あと、大工さんの友達がいるんで、聞きながら。「こういうのでどう?」みたいな感じで。

MEGWIN:もう何か月もやってますもんね。

JP:古民家に関しては、3、4か月たったくらいですか。

MEGWIN:これまで作業したなかで、1番きつかったことって何ですか?

JP:作業全般、だいたい初めてやるものが多いんですけど(笑)。何より1番きつかったのは、天井の掃除をしたときに、4メートルの足場板で足場を簡単に組んだんですけど、けっこう重たくて。2階部分にエイヤーみたいな感じでどんどん板をさしていくんですけど、もともと美容師なんで、そんなに筋肉がなくって。筋肉欲しいみたいな(笑)。

MEGWIN:ハサミだけですしね(笑)。

JP:そうそうそう(笑)。がんがんやっていくと、ばね指っていう手がばいーんってバネみたいになるんですよ。朝起きると全然開かないんですけど、グワーッと開いて。「バン」って開くときがめちゃくちゃ痛くて。持てないし、掴めないし、動くまでに昼くらいまでかかるっていう。でも作業は進めたいしで、痛みがつらかったですね。これはもう完全に筋肉が足りないんだろうなみたいな(笑)。あと、回復が間に合ってないという。

MEGWIN:高いところは大丈夫なんですか?

JP:高いのは怖いですね。古民家は2階くらいなんで、そこまで高くないんですけど、それ以上高くなるとイヤですね(笑)。

MEGWIN:いつも一人で撮ってますけど、人手は大丈夫なんですか?

JP:そうですね、1人で撮ってますけど。何かあったときは静かに朽ちていくのかなとか思いながら(笑)たまに友達が手伝いに来てくれるので、すごい助かります。

MEGWIN:キツイ思いをしてまでやる古民家DIYの醍醐味ってなんですか?

JP:床と壁とか、1つの区切りまで完成するじゃないですか。区切りまで何かが完成すると嬉しいんです。なんか疲れがとぶというか。「できたー!」みたいな。山登りとか、マラソンとかもそうなんじゃないですかね。なんかやめられないっていう。

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