
市川市動植物園の子ザル「パンチくん」が大人のサルに引きずられる様子が国内外に拡散し、同園が2度目の公式声明を発表した。
一連の行為はニホンザル社会における自然な「躾け」であると改めて説明しており、世界規模に広がった波紋に正面から向き合う姿勢を示している。
パンチくんは昨年7月に誕生したニホンザルの子ザルで、母ザルの育児放棄により飼育員の手で育てられた。母親代わりのオランウータンのぬいぐるみ「オランママ」にしがみつく姿が話題を呼び、「#がんばれパンチ」のハッシュタグとともに国内外でファンを獲得してきた。
しかし2月19日、大人のサルに地面を引きずられる様子がXに投稿されると、「かわいそう」「いじめだ」という声が急拡散。
海外インフルエンサーから「25万ドルで買い取る」という申し出が届くほどの騒動に発展した。
3月10日、園は日本語と英語で2度目の声明を公表した。
ニホンザルの群れは「明確な社会階層を持つ専制社会」であり、上位個体による行動は1948年以来の霊長類研究に基づく自然な躾けだと説明。「人間の『虐待』とは異なります」と明言した。
「群れに慣れたパンチを今離すことは、生涯群れに戻れないリスクを生む」と、一時保護を望む声にも丁寧に向き合った。
3名の獣医師チームが毎日健康状態を確認し、パンチくんは「1日の大部分を平穏に過ごしている」という。小さな命の未来を見据えた飼育員たちの深い知識と揺るぎない判断が、胸に静かに刺さる。
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