
『自民党チャンネル』の「高市総裁メッセージ 日本を強く豊かに」が、投稿からわずか9日間で1億再生を突破し、日本のYouTube史上最速記録を大幅に更新した。
これまで35日で達成した楽曲「アイドル」の記録を圧倒的な速さで抜き去り、新たな歴史の1ページを刻んでいる。
この記録の裏側には、YouTube広告という現代的な戦略が存在する。
多くの人が別の映像を視聴しようとした瞬間、画面に現れる政治メッセージ。
スキップボタンを押す前のわずか数秒も、再生回数としてカウントされていく仕組みである。
実際、1億2000万再生を記録しながらも、いいね数は1万6000、コメント数は3000件程度にとどまっている。
一方、Hikakinの1億再生超え作品はいいね数89万、コメント数10万件を誇る。
この対比が、広告による拡散の実態を物語っているだろう。
Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」が49日、米津玄師の「IRIS OUT」が73日かけて到達した1億再生という大台を、政治の力はわずか9日で突破してみせた。
参政党や日本維新の会、国民民主党も同様に広告を活用し、数百万から数千万の再生数を獲得している。
選挙という目的のために、各政党がデジタル空間で覇権を競い合う時代が到来したのだ。
しかし、数千万円から数億円とも推測される広告費用によって生まれた記録と、純粋な人気によって積み上げられた記録は、その重みがまったく異なるのではないだろうか。
音楽ジャンルならば「アイドル」が今も最速の座を守り続けているという見方もできる。
お金で買える数字と、心を動かされた人々が自ら再生ボタンを押した軌跡。
その違いを私たちは見極める目を持ち続けたい。この先、本当の意味で記録を塗り替えるコンテンツの誕生を、静かに待ち望む。
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