松本人志の発言をキッカケに話題となった視聴率の新たな測定方法。松本は、自信を持って放送を迎えた番組が低視聴率とネットニュースで書き立てられたことに激怒したのだ。
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「松本さんは、6月12日に放送された『キングオブコントの会』(TBS系)の視聴率が6.8%だったと、ネットニュースやスポーツ新聞が報じたことに怒っているんです。特に、デイリースポーツに怒っているようで、担当記者は吉本興行から厳重注意を受けたとか。松本さんの怒りは凄まじく『これぞ勉強不足のバカライター』とまで言い放ちました。スポーツ新聞の記者やデスク達はすぐに吉本を通じて謝罪をしたそうです。それくらい、今の松本さんの発言力は強く、800万人のフォロワーを抱えるSNSですぐに批判されるので恐れられています」(民放関係者)
しかし、ここで松本が問題にしているのは、各ニュースサイトが世帯視聴率を根拠としていること。松本は、コア視聴率こそいまのテレビのトレンドで、今回の番組は「コア」に関しては数字が悪くなかったと主張するのだが……。
「確かに、電通からの要請で、より細かく視聴者の属性がわかるコア視聴率を今後、指標にしていくという話は数年前から出始めています。松本さんが言うようにコア視聴率を意識しろとプロデューサーから言われることも。日テレとフジでは13~49歳、TBSでは4~49歳と50歳以下の個人視聴率をと言われていて、年配者以外に刺さる番組にしろと言うことですが、この価値観は業界内でもまだ浸透していません。局内の廊下などでは、コア視聴率の張り紙を張り出すようになったりしてはいますが、やはり世帯で高視聴率だったほうが社内では評価されるんです」(地方局関係者)
電通を主導として昨年春から導入を始めているコア視聴率という指標だが、これを巡ってゴタゴタも起きているという。
「首都圏のキー局は今後のことも考えて若者を相手に広告を売れば良いのでしょうが、少子高齢化が急速に進んでいる地方部ではそうはいきません。地方局はコア視聴率なんかで広告を売ったら赤字になってしまう。なので、キー局に対して、コアを意識した番組作りばかりされては売上が落ちると苦情を出しているんです。コア視聴率をと騒いでいるのは、結局は首都圏の大きなテレビ局だけ。なので、松本さんが“テレビ業界全体”の話のようにコア視聴率を語るのには違和感があります。結局は、系列の地方局を通じての視聴者数のほうが多いわけだし、納得のいかない発言です」(民放関係者)
東京、大阪の大テレビ局としか仕事をしない松本らしい勘違い発言でもあるというが、このコア視聴率に関して、実はテレビ局の関係者もよく分かっていないという。
「コア視聴率だとフジが非常に好調なのですが、世帯視聴率では断トツのビリです。60~70代の視聴者こそがテレビを見ていて、逆に若年層はテレビなんか見ないでネット関連の動画を見ることが多い。そうなれば、電通主導のコア視聴率を獲得したって、視聴者の絶対数はどんどん減っていくわけです。松本さんが話していることは、テレビ関係者を代表しているようで、そうとは言えないものなんです」(民放関係者)
さらに、マスコミ関係者に渡される資料にも問題があると週刊誌の記者は話す。
「コア視聴率だと全体的に視聴率が下がる傾向にあるので、『20%越え』などの見出しが打ち出しづらくなる。なので、テレビ局サイドからも世帯視聴率で記事を書いて欲しいと頼まれています。それに、われわれ記者には世帯視聴率しか渡されないので、コア視聴率では書きづらい。ハッキリ言って、今回の松本さんの苦言は言いがかりともとれます。だって、人気番組ならば世帯視聴率だってしっかり取るわけですからね」
松本といえば、福岡放送(FBS)で不定期に放送されるローカルバラエティ『福岡人志、松本×黒瀬アドリブドライブ』にも出演していたはずだが、そちらの事情には明るくなかったのだろうか?
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