
『中野優作 / CAR and LIFE.』の「冠水したらどうなる?」は、三重県の地下駐車場で160台が被害に遭うなど毎年発生する冠水トラブルで、自分の車が被害に遭った場合の対処法を徹底解説。
車両保険の有無で運命が分かれる現実から、修理と乗り換えの判断基準、さらに手放した冠水車がどこへ行くのかまで、被害者が知るべき情報を網羅している。
自分の車が冠水した場合、車両保険に入っていれば基本的に修理費用または買い替え費用が全額支払われる。
冠水の恐れがある地域に住む人は、絶対に車両保険への加入が必須だ。
保険未加入なら全額自己負担という厳しい現実が待っている。
冠水被害に遭い、保険適用となった場合、プロが強く推奨するのは修理ではなく乗り換えである。
エンジンや電気系統に水が入ると、後々トラブルが頻発するリスクが高い。カビ臭さも完全には消えず、精密機械である現代の車をお風呂に沈めたようなものだ。
ただし祖父から受け継いだ大切な車など、特別な思い入れがある場合は別だ。保険でフレームだけまで分解し、徹底的に洗浄してオーバーホールする選択肢もある。
多少の自己負担が発生しても、保険を使って完全再生を目指すチャンスと捉えられる。
冠水車の多くは保険会社が引き取り、専門業者を経てオークションに出品される。
主な買い手は海外バイヤーだ。フィリピン、タイ、ミャンマー、カンボジアなどの東南アジア、ドバイやサウジアラビアなどの中東、ケニアやナイジェリアなどのアフリカ諸国へ輸出され、現地で修理されて使われる。
部品需要も高く、修理コストが安い国々では冠水車でも十分に価値がある。
ただし稀に国内市場に紛れ込むケースも存在する。万が一掴まされた場合、契約不適合責任により購入から1年以内なら返品が可能で、2年経過後も裁判で認められる事例がある。
悪質な業者はSNS時代の今、一発で評判が広がるリスクを恐れ減少傾向だ。
冠水被害は突然訪れるが、正しい知識と保険があれば、あなたの大切な資産は必ず守られる。
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