素潜りマサル

『素潜り漁師』マサルの「5mのヤリで獲れた魚で『わらしべ』してみたら、まさかのアレが手に入った。。。」は、マサルの故郷山口県での魚突きに挑む壮大な挑戦記録である。

ジビエ工房を営む真野さんからの「アコ(キジハタ)1匹捕獲」という依頼を受け、6時間もの間海に潜り続けた末に掴んだ感動の瞬間が描かれている。透明度の悪い海、無数に漂うクラゲ、そして魚影の薄さという過酷な条件の中で見せる諦めない心が胸を打つ。

故郷の海が教えてくれた、諦めない心の美しさ

山口県の黄色いガードレールや角島大橋の絶景から始まる今回の旅は、マサルの故郷への愛情に満ちた美しさを持っている。しかし海に潜ると一転、現実は厳しい試練の連続となる。

「もう帰ろかな」と何度も心が折れそうになりながらも、海底で静かに魚を待ち続ける姿には、困難に立ち向かう心境が重なって見える。

カブトクラゲが顔に当たり続ける不快感や、透明度2メートルという視界の悪さも、日常の理不尽さのメタファーのよう。それでも海への愛と信念を胸に潜り続ける姿勢は、どんな困難も乗り越える強さを教えてくれる。

わらしべ長者が紡ぐ、心温まる地域の絆物語

念願のアコを真野さんに渡し、代わりに贅沢な鹿肉セットを受け取る場面は、現代版わらしべ長者の温かな展開。

ジビエ工房での真野さんとの会話からは、地域で支え合う人々の絆の深さが伝わってくる。獣害対策の網が張り巡らされた畑の風景は、都市部では想像もつかない地方の現実を静かに物語っている。

沖島でのバーベキューシーンでは、仲間たちと分かち合う喜びが画面越しにも伝わり、その輪の中にいるような温かさを感じられる。

6時間の苦労が最後に笑顔と美味しい食事に変わる瞬間は、努力の先にある幸せの尊さを実感させてくれる。

出典:【素潜り漁師】マサル Masaru.

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