日本テレビの作戦勝ちといったところか。
堺雅人が3月26日に放送される日本テレビ系スペシャルドラマ『ダマせない男』に主演するが、これに他局は不快感をにじませているという。
堺が演じるのは、ひょんなことから10億円詐欺計画の片棒を担がされる超お人よしサラリーマン・絹咲正。大ヒットした2020年のTBS日曜劇場『半沢直樹』以来の出演作となるだけに、注目を浴びるのは必至だろう。
「共演陣も門脇麦に広末涼子、小手伸也、生瀬勝久らと豪華な顔ぶれ。制作費も5000万円と破格です。せっかく堺という超大物を釣ったからには日テレも単発で終わらせるつもりはまったくない。局上層部は世帯平均視聴率が10%を超えれば連ドラ化、最低でも定期のスペシャルドラマには持って行きたいと、鼻息を荒くしています」(テレビ関係者)
それにしても、堺が復帰の場に日テレを選んだのはなぜか。堺が日テレドラマに出るのは2015年の『Dr.倫太郎』以来7年ぶり、しかもこの時が初主演と、日テレとは縁遠かったのだが……。そこにはドラマスタッフのしたたかな計算があったという。
「堺が唯一、頭が上がらないのが妻の菅野美穂です。そして日テレはその菅野と非常に強いパイプを築いています。駆け出しの頃に『メレンゲの気持ち』の初代司会のひとりに抜擢してもらった菅野は、2009年には『24時間テレビ』のチャリティパーソナリティも務めましたし、最近も事務所の後輩・山崎育三郎のピンチヒッターとして『おしゃれクリップ』の司会を務めました。日テレドラマも『働きマン』『キイナ~不可能犯罪捜査官~』『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』など定期的に出演しており、第一子出産後のドラマ復帰も日テレの『お迎えデス。』へのゲスト出演でした。今回は仲のいいドラマスタッフが菅野に企画書を渡して仲介を依頼。菅野から『面白いよ』と強くプッシュされたことで、堺も引き受けざるをえなかったようです」(前出・テレビ関係者)
一方、日テレに堺を強奪されて地団駄を踏んだのは、やはりTBSだ。
「昨年の東京ドラマアウォード2021で『半沢直樹』は優秀賞に輝きましたが、昨年10月に行われたこの授賞式の舞台で、演出を担当したTBSの福澤克雄氏が『半沢直樹が頭取になるくらいまでやってみたい』と続編について明言し、局内は大盛り上がりとなっていました。これまで堺は役のイメージがつくことを嫌がっていましたが、過去2作があれだけ話題になったことで、堺も半沢直樹はもはや自分の分身だとして、第三弾の出演を快諾。TBSとは密に打ち合わせを始めていたといいます。しかし、日テレの横やりで続編があるとしても相当先の話になってしまい、ドラマスタッフは悔しさをにじませています」(前出・テレビ関係者)
苦虫を噛み潰したような顔をしているのは、実はフジテレビのドラマスタッフも同じだという。芸能関係者が耳打ちする。
「『ダマせない男』の内容が、フジの目玉コンテンツである『コンフィデンスマンJP』のパクリではないか、と憤っています。確かに、広末や小手は『コンフィデンスマン』準レギュラーで、生瀬も映画版に出演していますから、『ダマせない男』が発表された際には堺雅人版の『コンフィデンスマン』だとネットで騒がれました。しかも『コンフィデンスマン』の脚本を手がけた古沢良太氏といえば、同じくフジで『リーガル・ハイ』をヒットさせましたが、これは堺の主演でしたから、フジとしても思わず眉をひそめたくなるでしょう。『ダマせない男』はタイトルどおり、堺演じる主人公は、ひょんなことから詐欺師に巻き込まれて詐欺を働くことになるものの、人がよすぎて嘘もつけない”絶対に騙せない詐欺師”なので、『コンフィデンスマン』とは一線を画す内容を意識しているようですが……」
最近も、フジと日テレの間にはとある”因縁”があった。
「フジといえば、2月7日放送の『超絶!THE空中サバイバル』で使用したVTRの内容が、日テレ系列である読売テレビの過去番組と酷似していたと騒がれ、同局に謝罪。さらに1月に放送された特番『いきなり日本を笑わせろ!』も、日テレの看板番組『有吉の壁』にそっくりだと炎上したばかり。その矢先に今度は日テレがフジの”類似ドラマ”を放送するとあって、敵対心が強まっているようです」(前出の芸能関係者)
『ダマせない男』は堺の新たな代表作となるのか、それともやっぱり『半沢直樹』の新作が観たいとなるのだろうか……?
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