RIZINが1月11日、公式YouTubeアカウントで『「シバター vs 久保優太」の件に関して』と題した動画を投稿。
昨年大晦日のシバターVS久保の試合で浮上した八百長問題について榊原CEOが説明を行った。
久保が「まんまと作戦にはまってしまった」と結論
榊原CEOは、これまでの6年間の試合で八百長が行われたことはなかったと説明。今回の騒動については、シバターが試合前からRIZIN側に「体調が悪い」「ケガをしたくない」「試合をしたくない」と言い続けていたと告白した。
しかしシバターが格闘家としても能力があること、炎上系YouTuberであることを「しっかり理解しておくべき」と前置きをしたうえで、「もっと僕らもそこを理解しておくべきだった」と述べている。
前述のシバターの発言については「いつものことだ」と思いながらも、ここまでしつこく言ってくることに「もしかしたら体の調子が悪いのかな、(試合を)やらないのかもしれないな」と思ったという。
シバターが同様の発言を久保にしていたことについては、RIZIN側に久保陣営からも報告が入っていたとし、久保陣営からは「シバターさんの言うことを聞いたふりをして、とにかく試合を成立させてやつけちゃいます。手加減せずにやります」という旨の話をされていたことを明らかにした。
しかし、シバターは試合前日の公開計量の際にも久保に何かをささやいていたようで、最後まで久保とRIZINに対して心理戦を繰り広げていたもよう。
その結果、アスペルガー症候群であることを公表している久保がまんまとシバターの作戦にはまってしまったというのがRIZINの出した結論だと、榊原CEOは説明した。
シバターに「一本取られた」
シバターの作戦には、「本当に品性下劣」「“スポーツマンシップにのっとる”という気持ちがまったくない」と榊原CEOは発言しているが、スポーツ界においてすべての試合が正々堂々というものではないとも話す。
今回のような「相手の弱いところを突く」「契約のギリギリのところを突く」という試合はこれまでに何回も見てきたとしながらも、「こんなことしてほしくない」というのが榊原CEOの本音。
しかしシバターについては、「彼はどうバズらせるか、炎上させるかっていうことに知恵をいっぱい絞ったんだと思う」とし、「ある意味僕らが1本取られたところはある」と述べた。
久保がシバターとの電話の音声を流出させた点については、「久保が最初からシバターというひとを信用していなかったんだと思う」と見解を述べ、万が一今後こういった選手間同士、プロモーター同士のやりとりがあった場合には、SNSやYouTubeでデータを公開することは禁止していくとした。
「もっと先回りして選手管理を徹底していくべきだったし、コミュニケーションをとっておくべきだったなと、反省するべきところはある」と、今回の騒動は今後の運営を徹底していくための材料とするようだ。
「炎上系YouTuberをリングにあげたのだから、学ぶ毒が多かったと思う」というが、シバターと久保のふたりを切り捨てることや、責任を押し付けることはしないと断言した。
久保への配慮を求める
今回の騒動が大きくなり、さまざまな格闘技関係者が久保に連絡してきていることに触れた榊原CEO。
「力になるからいろんなこと聞かせてよ」と久保にたかる人々については、「本当に久保のことを考えているのであれば、いまはそっとしておいてあげるべき」と述べた。
榊原CEOによると、久保はいま、今後格闘技を続けるかどうかを悩み、ことの大きさに心を痛めているという。「久保の弱っているメンタルに付け込むのは、格闘技関係の方、もうやめましょうよ」と釘をさした。
榊原CEOがRIZINの見解を示したことで、ようやく落ち着きそうなこの1件。最初から最後までシバターの作戦勝ちであった……といったところだろう。
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