身体が勝手に動いてしまう「チック症(トゥレット症候群)」を患う、とある大学生が自身の症状のなかで“一番ヤバイ”という症状をYouTubeで公開し、話題になっている。
大学生である高橋さんは、YouTubeチャンネル「チック症の日常」でチック症に苦しみながらも前向きに生活する様子を公開している。今回の動画では、“一番ヤバい”症状であると断言する「複雑運動チック」を紹介。最恐チック症であるという彼のその症状は、「ジロジロ見てはいけない、変な人と思われたくない」と意識すればするほど、その対象をジロジロ見てしまうというものである。
当然、変な人扱いされてしまったり、気味悪がられたりする訳だが、それで何だかスッキリするそうだ。ガラの悪いオジさんや露出度が高い女性をジロジロ見ないに越した事はない。しかしそう思えば思うほど、見てしまうそうだ。一方で、ホームレスのオジさんに対してはこのチック症はまったく出なかった体験があるという。
要するに、心と体が完全に真逆になっている状態のようだ。意識してしまい「ジロジロ見てはいけない」と思えば思うほどに、どうしても見ずにはいられなくなるという。高校時代には席替えなどで、好きな女の子や仲のよい友人が隣の席になるとこのチック症が出てしまったそうだが、仲良くないどうでも良いクラスメイトがくるとチック症が出なかったということもあったと話す。
本人にとっては超絶ジレンマだろう。どうでも良い存在が隣にいる方が、意識や関心も向かない、すなわち彼自身の心が落ち着いているからチック症が出ない。仲が良かったり好きな相手には、当然意識したり関心を持つため、チック症の症状が出てしまう……。何とも皮肉な話だ。
高橋さんはこの症状について映画『シザーハンズ』を例に挙げ、「自分が誰かを好きになるとその相手を傷付けてしまう恐れがある。まさに自分は映画のハサミ男であり、近付くと傷付けてしまう」と話す。この映画の結末は悲しいものだそうだが、まだ大学生である高橋さんの人生はまだまだこれからだ。
コメント欄からは、高橋さんの動画をきっかけにチック症を知る視聴者が多いことも見て取れる。何よりも前向きに生きる様子がとても印象的だが、この動画がチック症への理解を促進させることは確かだろう。
出典:チック症の日常
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